以下の項目の研究を行い、以下の結果を得た。 これまでに確立したSR IIの大量発現系をもとに、Htr IIのハロバクテリアにおける機能的な大量発現系の確立を行なった。ハロバクテリアの野生株ゲノム遺伝子より、Htr IIをコードする遺伝子htr IIをflanking領域を含めてクローニングし、発現ベクターに導入した。このプラスミドを用いて、4種のロドプシンを完全に欠損した変異体を宿主としHtr IIの大量発現系を構築した。具体的にはプロモーターとしてBRのプロモーターである、bopプロモーターを用い、その下流にhtr IIをつなぐことで過剰発現できた。Htr IIの大量発現系では、2種の発現ベクターを作成した。即ち、Htr IIをBRのleader sequenceと融合させたものとleader sequenceと融合させていないものである。これらの形質転換体を単離後、発現量の差異について検討した。組み換え蛋白質の精製を簡略化するために、同蛋白質のカルボキシル基末端には6つのヒスチジンオリゴマーを融合させた。大量発現されたHtr IIは可溶化後、Ni-NTA Agaroseを用いたアフィニティークロマトグラフィーで精製した。また、SR IIとHtr IIを同時に過剰発現させる系をハロバクテリア中で構築した。大量発現した蛋白質はHtr IIの場合と同様に精製・単離した。現在、得られたタンパク質を用いてSR II及びHtr IIの3次元結晶を作成中である。
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