研究課題/領域番号 |
13780500
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
白土 明子 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (90303297)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 貪食 / ホスファチジルセリン / アポトーシス / 精子形成 / スカベンジャー受容体 |
研究概要 |
アポトーシス細胞表面には貪食目印分子が出現し、これが食細胞の受容体に認識されることによりアポトーシス細胞選択的な貪食が規定される。平成14年度は、前年度の成果をふまえて精巣セルトリ細胞の貪食誘導機構を解析した。また、新規課題としてマクロファージ遊走の分子機構を検討した。 1)SR-BIとPSを介した貪食反応の情報伝達機構と生理学的意義 セルトリ細胞は貪食受容体SR-BIを使ってアポトーシス精子形成細胞表層のホスファチジルセリン(PS)を認識し、両者の直接結合により貪食誘導する。本研究により、膜貫通タンパク質であるSR-BIは既知貪食誘導アダプター分子CED-6とセルトリ細胞内で結合することがわかった。しかし、SR-BIの細胞内領域にはCED-6結合領域は存在せず、両者は間接的に結合して情報伝達すると考えられた。一方、PS結合タンパク質アネキシンVまたはSR-BIのPS結合領域を精巣精細管に注入すると、組織中のアポトーシス精子形成細胞数の増加と産生される精子数の減少とが認められた。したがって、アポトーシス細胞貪食反応は精子形成の進行に必要であると考えられた。 2)マクロファージ遊走因子産生と貪食機構 哺乳類卵巣では退縮時黄体に黄体細胞のアポトーシスとマクロファージ浸潤とが観察され、マクロファージ遊走因子macrophage chemoattractant protein-1(MCP-1)の発現誘導も認められる。今回の解析により、発情期ラットで非アポトーシス黄体細胞がMCP-1を発現するとわかった。また、アポトーシスとMCP-1発現とはいずれも酸化ストレスが原因となって誘導されることが判明した。これより、マクロファージは性周期に伴って黄体内で産生されるMCP-1濃度変化を感知して、アポトーシス細胞周辺に移動すると考えられ、これによりアポトーシス黄体細胞が貪食除去されると予想された。
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