研究課題/領域番号 |
13780504
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 山形大学 (2002) 大阪大学 (2001) |
研究代表者 |
鄭 文玉 (池田 義孝) 山形大学, 助教授 (60252657)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 糖転移酵素 / 糖鎖 / アロステリック効果 / 共同性 / N-アセチルグルコサミン転移酵素 / アスパラギン結合型糖鎖 / バイセクティングGlcNaC / 活性制御 / 組み換えタンパク質 / ピロリン酸 |
研究概要 |
N-アセチルグルコサミン転移酵素III(GnT-III)はアスパラギン結合型糖鎖にbisecting GlcNAcを付加する反応を触媒し、高分岐型糖鎖の生合成を制御すると考えられている糖転移酵素である。本研究ではGnT-IIIのピロリン酸(PPi)による活性制御機構について検討した。精製リコンビナントGnT-IIIを用いたPA化2本鎖糖鎖およびUDP-GlcNAcを基質とする反応にピロリン酸を加えると濃度依存的に活性が阻害され、その阻害はKi=0.03mM、Hill定数=6〜10の非常に高い協同性をもつ2状態遷移によってよく説明できた。PPiはドナー、アクセプター、2価金属のいずれのリガンドとも競合しないことから、いわゆるアロステリックエフェクターとして作用すると考えられた。速度端的解析によって、PPiはドナーおよびアクセプターに対するKmをそれぞれ12倍、3.5倍に増加させる一方、Vmaxに大きな変化を起こさないことがわかった。さらに、様々なPPi濃度における内在性トリプトファン由来の蛍光の変化を調べてみると、0.03mM付近のPPi濃度で蛍光強度に変化が観察された。このような結果から、GnT-IIIはPPiをエフェクターとして協同的なコンフォメーション変化を起こし活性型(低Km型)から不活性型(高Km型)へと遷移することがわかったが、さらに、化学架橋実験により多量体構造をもつことも示唆されており、各サブユニット間の機能的な連絡によってこのような性質を発揮すると考えられた(投稿準備中)。さらに、触媒残基の置換による不活性変異体の発現が細胞の内在性GnT-IIIの機能を阻害するというdominant negative効果をもつことを見出しており、in vivoにおいてもhomophilic functional associationがある可能性を示唆することが出来た。
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