研究課題/領域番号 |
13780549
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柳澤 修一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (20222359)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 転写因子 / Dofタンパク質 / シグナル応答 / 光応答 / 分子進化 / HMGタンパク質 / タンパク質リン酸化 / 転写促進ドメイン |
研究概要 |
植物には、光合成などの動物には存在しない多くの生物学的プロセスが存在する。植物に特異的な代謝回路や生物学的反応の存在に呼応するかたちで植物特異的なDof転写因子群は存在しており、トウモロコシのDof転写因子(Dof1とDof2)は光合成遺伝子などの光に応答した遺伝子発現に関わっていることを明らかにしてきた。このような背景のもとに、本研究では、Dof転写因子の活性を制御している分子メカニズムを明らかにすることを目的として行われた。種々のタンパク質リン酸化酵素の阻害剤やタンパク質脱リン酸化酵素の阻害剤とトウモロコシのプロトプラストを用いたin vivo解析により、リン酸化阻害剤K252aは特異的にDof1の活性を促進することが明らかにした。また、核にはHMGタンパク質と呼ばれるタンパク質群の存在が知られているが、Dof転写因子はHMGタンパク質いくつかと特異的に相互作用することを明らかにした。さらに、この相互作用によりDof転写因子のDNAへの結合は促進されること、さらに、リン酸化されたHMGタンパク質はDof転写因子のDNA結合を促進する能力を持たないことを明らかにした。従って、タンパク質のリン酸化やタンパク質-タンパク質相互作用により、Dof転写因子の活性は制御されていることが明らかとなった。一方で、モデル植物であるシロイヌナズナのゲノム中に37個のDof転写因子の遺伝子を同定して進化系統樹を作成したところ、Dof転写因子は被子植物が誕生する以前から多様化する一方で、個々の植物種が誕生した以降も多様化してきたことが明らかとなり、Dof転写因子群は高等植物に共通の役割と植物種に特異的な機能の両方を担っている可能性が示唆された。
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