研究課題/領域番号 |
13780550
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小田 司 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (10323643)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 遺伝子 / 癌 / シグナル伝達 / 細胞組織 / SH2タンパク質 / チロシンキナーゼ / 細胞内情報伝達 / 血液細胞 / タンパク質相互作用 / 遺伝子クローニング |
研究概要 |
HSH2(Hematopoietic SH2 protein)は、我々が同定したSH2 domainを含む新規の蛋白質で、血液細胞で強く発現している。本研究で、HSH2がチロシンキナーゼを介した細胞内情報伝達に関与する可能性について検討した。その結果、HSH2は血液細胞の分化・増殖に重要な働きをするチロシンキナーゼc-Fes, ACK1, JAK2と結合することが分かった。HSH2とJAK2との相互作用をさらに詳細に解析したところ、HSH2のN末端は構成的に、C末端はキナーゼ活性依存的にJAK2と結合することが分かった。更に、HSH2のC末端領域がJAK2の活性を増強することが明らかになった。JAK/STAT経路は細胞増殖に中心的な役割を持つシグナル伝達機構のひとつであり、その制御の異常が細胞の癌化と密接に関連している。HSH2によるJAK2の活性化のメカニズムの解明は、JAK/STAT経路を制御する分子機構の全体像を明らかにしていく上で重要であると考えられる。 次にHSH2と血液疾患発症との関連について検討した。ESTデータベースでHSH2 cDNAクローンの異常を検索したところ、あるalternative splicing formは野性型HSH2 cDNAと比べて4塩基欠失しており、野性型HSH2の翻訳ができないことが分かった。興味深いことに、データベース上の野性型HSH2 cDNAが正常血液細胞、白血病由来細胞(10クローン)のどちらからも検出されたのに対して、上記のalternative splicing form cDNAはすべて白血病細胞(5クローン)から検出された。HSH2の異常が、JAK/STAT経路の制御を乱し、血液疾患発症に関与しているか更に検討していく必要がある。
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