研究課題/領域番号 |
13780579
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
小瀬 真吾 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (90333278)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 核膜孔 / 核内移行 / 核外移行 / 熱ショック蛋白質 / 核蛋白質輸送担体 |
研究概要 |
核-細胞質間の機能分子の流通は核膜孔複合体(NPC)を介して行われる。その運搬はimportin βファミリーと呼ばれる輸送担体分子群により行われるが、NPC構成因子(Nup)とのどのような分子間相互作用により、importin βファミリー分子がNPCを通過し、機能分子を核及び細胞質に運搬するのか、その分子機構はほとんど明らかとなっていない。本研究は、importin βをモデル分子として、核膜孔通過機構の解明を目指し、以下のことを明らかにした。 imporin βのNPC通過におけるエネルギー要求性を解析し、imporin βの核外移行にエネルギー要求性が観られた。そこで、細胞抽出液を分離精製することで、importin βの核外移行活性化因子として熱ショック蛋白質hsc70を同定した。importin β核外移行活性化におけるhsc70のATPase活性の必要性を解析する為、ATPase欠損点変異体hsc70(D10N)を用いて、in vitro蛋白質輸送アッセイ系で解析を行った。その結果、ATPase活性欠損hsc70変異体は、imporin βの核外移行を活性化しなかったので、hsc70のATPase活性はimportin β核外移行活性化に必要であると考えられる。 また、NPC通過に必要十分な領域のアミノ酸に点変異を導入したimportin β変異体の挙動解析から、in vitro系において、野生型より核内移行が速いが核外移行は遅い変異体(A)や核外移行は速いが核内移行は遅い変異体(B)を同定した。これらの変異体とNup(p62,Nup153)との相互作用を調べると、野生型や変異体Aに比べ、変異体Bはp62やNup153との結合が弱かった。これらの結果は、核内移行と核外移行ではimportin βとNupの分子間相互作用が違うという可能性を示唆している。
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