研究概要 |
海馬と小脳を構成する多様なニューロン群について、以下の解析を進めた。 1.マウス海馬において、GABA作動性ニューロンを神経化学的に同定し、ステレオロジーを用いた定量解析を行った。これにより、3種類のカルシウム結合タンパク(parvalbumin, calretinin, calbindin D28K)と、4種類の神経ペプチド(neuropeptide Y, somatostatin, cholecystokinin, vasoactive intestinal protein)を含有しているGABA作動性ニューロンのサブポピュレーションについて、海馬の領域、層別の空間分布密度を明らかにし、長軸方向によるgradientの存在を示した。 2.マウス内側中隔に投射している海馬のGABA作動性ニューロンを逆行性トレーサーにより同定し、神経化学的性質を定量的に解析した。これにより、海馬から内側中隔に投射しているニューロンの大多数がsomatostatinを含有していること明らかにした。 3.新たなカルシウム結合タンパクとして機能的な研究が進められているneuronal calcium sensor-1について、マウス海馬、小脳における免疫細胞化学的局在を解析した。さらに、neuronal calcium sensor-1による小脳のcompartmentationを明らかにした。 マウス海馬腹側歯状回のmossy cellが律動的にバースト発火していることを発見し、これがpersistent Na currentによるものであることを明らかにした。
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