研究課題/領域番号 |
13780609
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
涛川 一彦 (濤川 一彦) 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50312468)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | アデノウィルス / 神経再生 / 脊髄損傷 / 遺伝子導入 / アストロサイト特異的プロモーター / グリア瘢痕 / Cre / loxP / 組織特異的プロモーター |
研究概要 |
中枢神経が損傷されると、炎症応答によって損傷部位でアストロサイトが増殖・瘢痕化し、神経突起の再生が阻害され、ニューロンを細胞死にいたらしめると考えられている。そこで、本研究ではアデノウィルスベクターを用いて、このグリア瘢痕を効率的に取り除き、損傷中枢神経機能再建を目指すアプローチを遂行した。中枢神経損傷モデルとして脊髄損傷動物を用い、その損傷部位にCre/loxP誘導性のアデノウィルスを感染させ、アストロサイト特異的GFAPプロモーターで自殺遺伝子(チミジンキナーゼ:TK)を発現させ、増殖アストロサイトを細胞死にいたらしめ、グリア瘢痕を効率的に取り除く。一方、このウィルスベクターは、アストロサイト以外の細胞(特にニューロン)に生存・再生促進因子であるBDNFを発現する。平成14年度は既に作成済みのアストロサイト特異的Cre発現アデノウィルス、及びBDNFをスタッファー配列に持つTK発現loxPアデノウィルスを大脳皮質ニューロングリアの共培養の系で感染させTKがアストロサイトで、BDNFがニューロンやオリゴデンドロサイトに特異的に発現することの確認を前年度に引き続き行った。さらに、その共培養の系でBDNFがニューロンに対して生存・突起伸展活性を持ち、一方でアストロサイトが細胞死に陥ることを確認した。さらに現在、平成13年度までに確立済みの脊髄損傷モデル(赤核脊髄路損傷ラット)損傷部位へのウィルスベクター投与を進めており、ウィルス感染ラットでグリア瘢痕の除去や損傷ニューロンの再生軸索の形態的変化等を組織学的な手法で解析し、更には行動評価によって機能的回復を評価する事によって神経再生への効果を詳細に検討中である。
|