研究課題/領域番号 |
13780621
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 熊本大学 (2002) 岡崎国立共同研究機構 (2001) |
研究代表者 |
鹿川 哲史 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (50270484)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | オリゴデンドロサイト / 運動ニューロン / 背側化因子 / Wnt / 背腹軸 / 脊髄 |
研究概要 |
オリゴデンドロサイト(以下OL)と運動ニューロン(MN)は神経管腹側の限局した共通の神経前駆細胞から発生する。この共通の前駆細胞の発生は脊髄腹側から放出されるソニックヘッジホッグ(Shh)により促進されることが知られていた。近年、我々はShhに加え、背側から産生される因子がOL分化を著しく抑制することを明らかにし、背側因子にOLとMNの細胞運命決定因子が含まれている可能性を示してきた。本研究では、昨年度までに脊髄背側より放出されるWntファミリータンパク質がOL分化抑制因子であることを明らかにした。すなわち、胎生12日マウス胚の後脳及び頸髄の腹側小片展開標本培養や胎生14日マウスの脊髄初代分散培養細胞に、Wnt3aを発現させたL cellの培養上清を添加したところ、未分化OLであるO4陽性細胞の数が減少することが分かった。OL前駆細胞株であるCG4細胞にWnt3a上清を添加してもO4陽性細胞の数が減少したことから、Wnt3aはOLとMNの前駆細胞よりむしろOL前駆細胞に直接作用してOL分化を抑制することが考えられた。今年度はWntのアンタゴニストであるDkk-1やECD8を培養系に添加することによってO4陽性細胞数が増加することを示し、内因性WntがOL分化を抑制していることが証明した。脊髄背側に発現するWntファミリーにはWnt-1、-3、-3a、及び-4が知られている。このうちWnt-1ノックアウトマウスやWnt3aノックアウトマウスを解析したところOLやMNの数に変化はなかったことから複数種類のWntファミリータンパク質が互いの機能を補っていることが考えられた。本研究の結果からWntファミリーはOLの分化タイミングを制御することによってOLの細胞数や背側への分布を調節していることが示唆された。
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