研究課題/領域番号 |
13780634
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
美馬 達哉 京都大学, 医学研究科, 助手 (20324618)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | コヒーレンス / 経頭蓋的磁気刺激 / 一次感覚運動野 / 前運動野 / 経皮的磁気刺激 / 一時感覚運動野 |
研究概要 |
(1)脳領域問結合の可塑的変化の解明 正常人の運動統御を解明するために、機能的磁気共鳴画像法によって運動野と補足運動野を同定し、その位置情報を利用して、脳波のダイポール解析をおこなって運動に関与する複数の脳皮質活性化の時間的経過を明らかにした(Toma et al)。複数の運動野の相互相関をコヴァリアンス解析によって検討し、その機能的結合の強度が、運動頻度によって可塑的に変化することを解明した(Toma et al)。 また、運動野による筋活動の統御をコヒーレンス解析によって評価し、その強度や分布が脳梗塞後に可塑的に変化するかどうかを検討した。成人の皮質下梗塞の場合には、運動機能が回復した場合でも、コヒーレンスは有意に低下し、その分布は患者群と健常者群で変化なかった(Mima et al.)。 今後、こうした手法によって脳梗塞後のリハビリの効果の検討などを行い、研究成果を社会に還元することを計画している。 (2)経皮的磁気刺激(TMS)による脳機能可塑的変化の誘導 非侵襲的な低頻度TMSによって、脳機能の可塑的変化を誘導する手法による検討を行った。一次感覚運動野に局所的な低頻度TMSを与えることで、直後に一過性の触覚閾値が上昇することを明らかにした(Satow et al.)。また、痛覚認知に関わる脳部位である一次感覚運動野、二次感覚野、前頭葉内側にTMSを与えることで、痛覚が主観的に変化するかどうかを検討した。その結果、一次感覚運動野の機能をTMSでブロックした場合には、痛覚閾値が低下し、一方で前頭葉内側の場合には痛覚閾値が上昇した(Kanda et al)。痛覚を可塑的に変化させる手法は、適切なパラメータを開発することで、慢性痛の新しい治療法となる可能性がある。
|