研究課題/領域番号 |
13780647
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 大阪大学 (2002) 岡崎国立共同研究機構 (2001) |
研究代表者 |
小林 康 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (60311198)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | サッカード / 強化学習 / 大脳基底核 / 動機付け / saccade / monkey / reinforcement learning |
研究概要 |
衝動性眼球運動(サッカード)の制御に着目し、動機付け、運動制御、報酬情報に対する脚橋被蓋核(PPTN)の神経機序を解析した。眼前に光点が呈示されるとヒトやサルは光点を標的としてサッカードとよばれる眼球運動で視野移動を行う。サッカードは注意や動機付けと密接に関係しており課題の遂行度は誤差や報酬によって絶えず学習されている。学習には外部から与えられる誤差信号、報酬と動物の内的状態(報酬や誤差信号の履歴による動機付けや注意)が重要な要素となるはずであるがその相互作用は明らかにされていなかった。これまで解剖学的研究や破壊実験より脳幹のコリン作動性ニューロン核のPPTNが学習や動機付けに関係していることが示されてきたので、サルに視覚誘導性サッカード課題を行わせ、課題遂行とPPTNのニューロン活動の関係を解析した。課題遂行中に、課題が成功した結果与えられる報酬量を増加させると課題の成功率が上昇すると共にPPTNニューロンの持続的活動が上昇した。この活動は課題の成功率という動機付けを反映する指標と密接に関係していると思われる。さらにこれらのニューロンが運動誤差や報酬にも反応することを明らかにした。この結果はPPTNニューロン上で動機付け、誤差、報酬に関する情報が収束することを示しており、学習の際に必要な異種感覚情報の統合に対するPPTNを含む神経回路の寄与が示唆された。
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