研究課題/領域番号 |
13780656
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
松本 直幸 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00252726)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 線条体 / 報酬 / 嫌悪刺激 / 目的指向的運動 / 介在細胞 / 嫌悪 |
研究概要 |
サル線条体のコリン作動性介在細胞であると考えられる持続放電型細胞(Tonically Active Neurons, TANs)は、報酬予告や嫌悪刺激などの動物に強い情動を引き起こす様な感覚刺激に応答することが報告されている。しかしながら、被殻および尾状核において、その応答性にどのような違いがあり、それぞれが報酬獲得などの目的指向的な行動の発現にどのように関与するのかについては十分に調べられていない。我々は動物の動機付けのレベルを3段階にコントロールできる行動課題を用いて、TANsがどの様な意味を持つ刺激に応答し、また被殻と尾状核でどのような応答性の違いがあるのかについて検討した。手元のレバーを押すと待機を指示するLED(指示1)が点灯し、その後その色が赤、青、黄のいずれかに変わり(指示2)、その消灯(GO)を合図にできるだけ早くレバーから手を放す課題を2頭のサルに行わせた。指示2が赤の場合は、制限時間内のレバー放しで水を得る報酬条件、青はレバー放しが遅れると目尻に空気が噴出される嫌悪条件、黄は成功試行でbeep音のみが呈示される中立条件である。反応時間は3条件間で異なっていた。2頭から記録した390個のTANsの多くは指示2に応答し(n=321)、被殻では74%(194/262)、尾状核では92%(118/128)であった。また、その中で3種の指示2を区別せずに応答したものは被殻で23%(n=44)、尾状核で43%(n=51)、3種を区別したものは被殻で77%(n=150)、尾状核で57%(n=67)であった。この結果は、被殻および尾状核いずれのTANsも報酬獲得や嫌悪回避などの行動の目的を付与する感覚事象を検出するが、被殻ではそれにより生じる動機付けの状態を、尾状核では主に注意に関する情報を扱うことで、基底核の予測的、目的指向的行動の発現機序に貢献することを示唆する。
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