研究課題/領域番号 |
13780671
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩坂 正和 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90243922)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 磁場効果 / 磁気泳動 / 直流磁場 / 酵素反応 / 細胞工学 / タンパク質 / 生体光測定 / 磁場配向 / 細胞機能 / 反磁性高分子 / 赤血球 / カタラーゼ |
研究概要 |
本研究では、生体高分子が強磁場下で受ける2種類の力(回転力と並進力)によって、細胞や高分子重合体が磁場配向および磁気泳動現象を示す原理をもとに、細胞挙動およびタンパク質等の生体高分子の機能を磁気的に制御・計測することを目的として研究を推進し、本年度は下記の成果を得た。 1)重力に平行な鉛直方向磁力線と水平方向磁力線を用いることで、重力に垂直な培養皿表面に付着した状態の血管平滑筋細胞の形態に対する磁場効果の観察を行った。垂直磁場(5T)のオン/オフに伴い、細胞の偽足の伸縮が可逆的に観察された。一方、水平磁場(14T)において3日間細胞を培養した場合、紡錘形状の平滑筋細胞の長軸方向が磁力線方向に向く細胞形状変化が観察された。さらに本研究では、細胞付着面に照射した直線偏光の透過光強度の経時変化をリアルタイムで測定することで、鉛直/水平磁場が細胞内成分のダイナミックスも調べた。水平磁場下で磁場印加中の透過偏光強度は増加し、対照的に鉛直磁場下での透過偏光強度は減少したため、細胞内成分(細胞骨格)が磁場印加中に磁場による回転運動を示したことが示唆された。 2)磁気液体クロマトグラフィーの一手法を提案し、アミノ酸あるいは分子量10万程度の高分子の溶液を勾配磁場空間にて水中にパルス的に流した際に、輸送速度の変化および高分子集団の分離が見られることを報告した。 3)酵素反応およびタンパク質機能の磁気制御の基礎的取り組みとして、時間分解測光による生物発光(蛍発光)スペクトルへの磁場影響観測を行った。今回のIn vivo実験において最大14T磁場下で発光抑制効果が見られるとともに、発光スペクトルの微妙なずれも観測された。一方、ヘモグロビンのジチオナイト還元過程へのミリ秒領域における最大14T磁場影響をストップトフロー測定を用いて研究した。
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