研究課題/領域番号 |
13780680
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 雅哉 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (10332735)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 徐放化細胞増殖因子 / 筋組織再生 / 人工細胞外マトリックス / 生体吸収性ハイドロゲル / 生体組織工学 / ゼラチン |
研究概要 |
筋組織を再生するために、心筋細胞を虚血性心筋梗塞モデルラットの心筋内へ移植した。再生部位における血管新生や筋芽細胞の増殖を促進するために、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)および肝細胞増殖因子(HGF)を生体吸収性マトリックスより徐放化するシステムを設計した。 細胞増殖因子の徐放化システムとしてゼラチンからなる生体吸収性ハイドロゲル微粒子を作製した。放射ラベル化した細胞増殖因子を含有したハイドロゲルをラット心筋に作製した虚血性心筋梗塞部位へ注入した。ハイドロゲルを注入した心筋内の残存放射活性を経時的に調べたところ、正常心筋内へ投与した場合と同様に心筋梗塞部においても細胞増殖因子を約2週間徐放化することができた。また、細胞増殖因子の残存部位は注入した部位に限局されていることがわかった。 ラット胎児心筋からコラゲナーゼ消化法により単離・培養した、心筋細胞と徐放化bFGFシステムとを組み合わせてラット虚血性心筋梗塞部へ埋入した。その結果、徐放化されたbFGFにより血管新生が誘導され、良好な血流をもつ移植床においてのみ心筋細胞が生着し、有意な心機能の改善が認められた。次に、拡張型心筋症を発症するモデル動物へHGFを含有したゼラチンハイドロゲルを埋入したところ、コントロール群と比較して、心筋の繊維化が抑制されるとともに拡張型心筋症の発症を抑制できた。以上のことは、細胞増殖因子徐放化システムと細胞移植とを組み合せることによって、心筋などの筋組織を再生することができることを示している。
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