研究課題/領域番号 |
13831001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中垣 俊之 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70300887)
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研究分担者 |
上田 哲男 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (20113524)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 粘菌 / 細胞計算 / 迷路 / 自己組織化 / アメーバ運動 / 最適化 / 生物リズム |
研究概要 |
アメーバ細胞は、代謝反応を伴うゾル・ゲル溶液と見なせるもっとも原始的な生命体であるが、環境情報を受容し、判断し、適切に環境に働きかける能力がある。すなわち生命システムにおける情報機能の発現やシステム構築の原理を物質レベルから解明するのに格好の研究対象である。粘菌変形体は巨大なアメーバ様細胞で、細胞全体にシンクロナイズした収縮リズム、往復原形質流動を示し、外部環境に応じて多種多様な細胞形状をとる。本プロジェクトは、粘菌という複雑系における機能発現のメカニズムを解明することをめざした。 機能的ネットワークの設計能力の実験的証明 与える餌の数(3,6,7,12,64個)と配置を様々に変えると、それに応じて餌場所を繋ぐ太い管のネットワークの形も劇的に変わった。これらのネットワークは、効果的な輸送ネットワークの持つべき幾つかの基準を満たした。すなわち、管の総長の短さ、餌場所間の密な繋がり、事故による管の断線に対する耐久性は、いずれも良い値を示した。このような複雑な状況での最適化アルゴリズムは現代科学技術の困難な問題であるが、単細胞の粘菌は予想以上に高い計算能力を有することが解明された。 粘菌振動素子の集団的振る舞いのシミュレーション 粘菌の計算アルゴリズムを解明するために、管の形成機構を収縮リズムの観点から数理モデル化の可能性を検討した。管形成には三つの時間スケール、2分の収縮リズムと20分の管形成過程と200分の管ネットワークの再編成過程が存在する。最も基本にある収縮リズムの数理モデルを構成した。化学振動子と粘菌の原形質流動を表現する偏微分方程式モデルである。これにより往復原形質流動の時空パタンと粘菌の走性を再現できた。このモデルを基にして、管形成もモデルへの糸口が得られたので、今後の研究展開が期待できる。
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