研究課題/領域番号 |
13831007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
茶碗谷 毅 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (80294148)
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研究分担者 |
山根 宏之 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (10230517)
和田 健志 熊本大学, 工学部, 助教授 (70294139)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | カオス / 大自由度 / 集団運動 / 準安定状態 / 間欠性 / 遷移ダイナミクス / 非線形力学系 / アトラクター / 大自由度系 / 遷移 / 分岐 / 力学系 / サドル / 数値実験 / 非線形性 / レプリケーター方程式系 / 生態系 / 対称性 |
研究概要 |
本研究では、系の時間発展方程式が明示的に持つ特徴的な時間スケールと比べてゆっくりとした運動の発現機構を理解するために、軌道を長時間にわたって捕捉することにより元の時間スケールと比べて遥かに長時間の相関をもたらす擬アトラクターと呼べるような性質をもつ相空間内の構造についての研究をすすめた。その結果として、いくつかのこれまでに知られていなかったタイプの擬アトラクターを見つけることができた。特に大自由度のカオス的な力学系においてしばしば現れ、パラメータ空間の広い範囲にわたって存在しうるような準安定状態に対応する疑似アトラクターの出現機構について明らかにしたことは、本研究で得られた大きな成果といえる。また、個々の疑似アトラクターについての理論的解析に加えて疑似アトラクター間遷移のダイナミクスについても、数値実験を用いた現象論的アプローチからの解析、及び疑似アトラクターの持つ対称性に着目したアプローチなどの方法での解析等の面から研究を進め、幾つかの興味深い結果を得た。 これらの準安定状態の力学的構造及びそれらの間の遷移にともないあらわれる非定常的な振舞いの解析によりえられた結果は、本質的に大きな自由度を持ちしかも完全に乱れているわけではない系で見られるような複雑な振舞いを扱う上での基礎的な概念の理解を進めるものであり、複雑な系でしばしばみられる階層的構造の現象論的な記述及びその形成機構の理解といった問題にも深く関与する重要な意味を持つものであると考えられる。
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