研究課題/領域番号 |
13832002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
新井 昌史 群馬大学, 医学部, 講師 (60270857)
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研究分担者 |
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 教授 (00215047)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 心筋小胞体 / Ca2+-ATPase / phospholamban / 遺伝子治療 / アデノ随伴ウイルス / レンチウイルス / 心不全 / ベクター / Ca^<2+>-ATPase |
研究概要 |
(1)SR Ca2+-ATPase遺伝子の心筋内遺伝子導入による新しい心不全治療法の開発 human SR Ca2+-ATPase遺伝子をアデノ随伴ウイルスベクターおよび、レンチウイルスベクターに組み込み、遺伝子導入ベクターを作製した。ラット培養心筋細胞に遺伝子導入したところ、ふたつのベクターともにSR Ca2+-ATPase mRNA発現量は約3倍に増加し、また、SR Ca2+-ATPase蛋白も約2倍にまで増加し、遺伝子導入による効果が確認された。また、導入群ではCa2+輸送能の亢進が認められ、標的蛋白であるSR Ca2+-ATPaseの機能の増強効果が得られた。現在、動物実験モデル(心不全モデル)で効果を検討中である。 (2)phospholamban遺伝子翻訳の特異的抑制による心不全治療の開発 phospholambanの機能を抑制するため、human phospholamban遺伝子のmRNA発現をRNA interference法によって遺伝子特異的に抑制することに成功した。human phospholamban遺伝子の蛋白翻訳領域の21塩基に相同な二本鎖RNAを合成し、HVJ-envelopeを用い培養心筋細胞に導入した。発現に対する効果は、きわめて遺伝子特異的であり、PLB mRNA発現を対照群の約10%にまで低下させるものの、SR Ca2+-ATPaseやcalsequestrin mRNAに対しては全く抑制効果を示さなかった。また、この遺伝子レベルでの変化は蛋白レベルにも反映され、phospholamban蛋白は対照群の10%以下に抑制され、その効果は1週間持続した。さらに、心筋小胞体へのCa2+汲み上げ能はこの方法により38%亢進が見られた。さらに過酸化水素投与による心不全モデルにおいては、本法によりCa2+汲み上げ曲線が左方にシフトし、Ca2+に対する感受性の亢進が観察された。
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