研究課題/領域番号 |
13832004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瀧原 圭子 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70252640)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 心不全 / サイトカイン / STAT / 情報伝達 / リモデリング / 虚血再灌流傷害 / VEGF |
研究概要 |
心筋細胞傷害の抑制に、JAK/STAT系が重要な役割を果たしていることをこれまでに報告しできた。特に、心筋細胞においてbcl-xLの発現を誘導し、doxorubicinによる活性酸素種の産生によるアポトーシスを抑制すること、STAT3が酸化ストレスに対して抑制的に働く分子を誘導することを明らかにしてきた。さらに、STAT3の活性化が心筋細胞におけるVEGF発現を誘導することを明らかにし、心筋リモデリングにおいて極めて重要な働きをしていることを、constitutive active STAT3 (caSTAT3)を用いて検討を行った。 caSTAT3をアデノウイルスを用いて心筋細胞に過剰発現させると、心筋細胞におけるVEGF mRNAおよび培養上清のVEGFの発現増加を認め、さらには低酸素/再酸素化による心筋細胞傷害を軽減させた。次に、caSTAT3を心筋細胞に特異的に過剰発現させたトランスジェニックマウス(caSTAT3 TG)を作成し、心臓におけるVEGF発現増加とそれに伴う血管密度の増加を明らかにした。 caSTAT3 TGを用いin vivo心筋虚血再灌流モデルにおいてSTAT3の心筋保護効果を検討し、その分子機構を明らかにした。caSTAT3 TGにおいてコントロールマウスと比較し明らかな梗塞領域の縮小が観察され、TUNNEL陽性心筋細胞の有意な減少が認められた。 本研究結果により、JAK/STAT系が心筋リモデリングに重要な働きを示すとともに、STAT3活性がpreconditioning効果を示し虚血再灌流傷害に関与することが初めて明らかとなった。
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