配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
本研究課題では,内分泌撹乱作用の中でも多世代に渡って引き起こされる化学物質の影響を比較的容易に行えるバイオアッセイを構築することを研究目的とした.本研究から,ライフサイクルの短い線虫C.elegansを利用することで多世代に渡る化学物質の影響を従来にない短期間で評価できることを示すことができ,さらに,バイオアッセイに産卵や成長など従来あまり使われていなかった指標をエンドポイントに用いることでより高感度化できることも明らかにすることができた.線虫が経代影響評価に適した生物であり,水生生物が主に用いらていた従来のバイオアッセイでは評価ができなかった難溶性物質の評価も寒天培地に分散させることで容易に行えることをいくつかの化合物を用いて示すことができた.また,産卵や成長というエンドポイントは生死で判定する毒性評価より高感度であり,安全性を評価すると考えるとより優れたエンドポイントである.また,タンパク質の同定は行えなかったが,エストラジオールなどホルモンに暴露された線虫の内部でリン酸化レベルが変動するタンパク質が検出されたことから,線虫は確かにホルモンを認識している可能性および物質評価のバイオセンサーとして利用できることが示唆された.線虫はゲノム配列をはじめとして最も基礎的な情報が明らかにされた生物である.今後,さらにin vivoレベルの情報と詳細な分子レベルの情報を研究を行い,それらの関連性を明らかにすることで,単に毒性レベルの情報のみならず,総合的な化学物質の評価システムが構築できる考えられる.
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