研究課題/領域番号 |
13835001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 (2002-2003) 宇都宮大学 (2001) |
研究代表者 |
大庭 亨 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (30291793)
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研究分担者 |
三部 正大 宇都宮大学, 工学部, 教授 (40007993)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 微小管 / チューブリン / 光合成 / 散逸過程 / ナノデバイス / クロロフィル / インテリジェントマテリアル / 自己集合 / 動的システム / 複合化システム / ナノ・デバイス / インテリジェント・マテリアル |
研究概要 |
本研究は、生物システムの特徴を備えた新規なナノ情報処理素子・回路を構築することを目的として、動的かつ可換な「複合化集積システム」の構築を目指した。本研究は、蛋白質「チューブリン」の会合による蛋白質集合体「微小管」の形成を利用して、種々の機能分子(低分子〜蛋白質)をナノサイズの円筒上というごく限られた空間内に集積・複合化できることを初めて示した。この複合化集積システム「機能化微小管」は、微小管部分の会合と脱会合に伴って励起エネルギー伝達の稼動と休止を可逆的に繰り返すことができた。このことは機能化微小管が動的特性をもつ複合化集積システムであって、個々の機能分子だけでは果たし得ない高次機能を会合して初めて現すことを示している。興味深い点は、この機能化微小管が初めての自己修復(self-healing)するナノデバイスであることである。自己組織化は散逸過程の性質であるから、散逸過程を作り得るビルディングブロックに機能分子を集積・複合化すれば、自己組織化を利用した人工の超分子システムを構築することができる。このことを我々は初めて実践した。上記および関連する検討結果から、自己修復能をもつような、高度な複合化集積システムの設計指針を次のように提案する。(1)散逸過程を利用すること。(2)システムをモジュール化すること。(3)機能分子間のコミュニケーションについては、tight coupling(配線)が必要な部分とloose coupling(拡散輸送)でよい部分とを使い分けること。(4)機能分子を局所化してエネルギー・物質・情報の伝達・変換効率向上を図ること。(5)冗長なシステム構成にしてrobustnessをもたせること。本研究は分子素子を集積する新しい方法論を提案するものであり、得られた知見は新しい材料や分子デバイスおよびその集積回路(超分子システム)を開発していく上でユニークな指針を与えると考えられる。
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