研究概要 |
1.リボソームの担体への固定・複合化 化学修飾した架橋高分子ゲル担体上へのリボソームの固定・複合化システムにおいて,以下の点を明らかにした. (1)吸着時の諸条件が吸着に与える影響.(2)疎水性アンカー構造の最適化の効果.(3)リボソームとゲル粒子との間での水中におけるジスルフィド結合形成反応の可能性.(4)リボソームを脱着したゲルへのリボソームの再固定化挙動.(5)固定されたリボソームの脱離挙動についての詳細. 2.巨大リボソーム調製法の開発・改良 人工細胞の構築に利用しうる巨大リボソームの新しい調製方法について検討をおこない,以下の点について知見を得た. (1)電場利用法の大幅な改良の可能性.(2)脂質溶液注入法による巨大リボソームの形成過程の詳細.(3)巨大リボソームへの水溶性物質封入方法.(4)交流電場法にて調製したリボソームと水溶性高分子物質の相互作用.(5)交流電場法にて調製したリボソームにおける膜欠陥の存在の可能性. 3.異種材料への巨大リボソームの固定化 上述のリボソーム固定化系について,細胞と同程度の大きさを持つ巨大リボソームの固定化を試み,以下の点について知見を得た. (1)ゲル粒子上への巨大リボソームの固定化の可否.(2)固定化頻度および脱着挙動などにおける小さなリボソームとの相違.(3)小さな集合体の除去による巨大リボソームの固定効率の向上. 4.巨大リボソーム組織化 特異的な結合を形成する分子対を巨大リボソーム膜に組み込み組織化する試みをおこない,以下の点を示した. (1)ビオチン-アビジン系による組織様の巨大リボソーム集合体の形成.(2)疎水性チオールの組み込みによる巨大リボソーム間接着.
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