研究課題/領域番号 |
13837004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
伊藤 るり お茶の水女子大学, ジェンダー研究センター, 教授 (80184703)
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研究分担者 |
稲葉 奈々子 茨城大学, 人文学部, 助教授 (40302335)
イシカワ・エウニセ アケミ (イシカワ エウニセ・アケミ / イシカワ エウニセ.アケミ) 鹿児島国際大学, 国際文化学部, 助教授 (60331170)
足立 眞理子 大阪女子大学, 人文社会学部・女性学研究センター, 教授 (10347479)
定松 文 広島国際学院大学, 現代社会学部, 助教授 (40282892)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ジェンダー / 国際移動 / 移民 / 女性移住者 / エスニシティ / マイノリティ / 日系ブラジル人 / フィリピン人 / 国際結婚 / 国際移民 / 日経ブラジル人 |
研究概要 |
本研究は、日本で生活する女性移住者のエンパワーメントと主体形成のあり方を解明することを目的とし、(1)彼女たちが、日本に生活拠点を築くなかで、どのような新しい主体形成を試みているのか、そして、(2)日本への移住と滞日経験が移住者、ならびにその家族のジェンダー関係にどのような影響を及ぼすのか、おもに以上の二点を検討した。調査対象となったのは、フィリピン人、ブラジル人、タイ人、ニューカマー韓国人、ならびに在日朝鮮・韓国人女性移住者である。また、(2)との関連では、パキスタン人男性移住者の配偶者としてそのビジネスを支える日本人女性の状況も検討した。 (1)にかんしては、「社会活動」と「経済活動」の両面から検討した。事例としては、日系ブラジル人女性による子どもたちへの教育支援活動と地域社会への参加、フィリピン人女性によるサリサリストアやレストラン経営といったビジネスの展開、ニューカマー韓国人女性を中心とする「契」の活動、在日韓国・朝鮮人1世女性による夜間中学独立運動と2世によるデイハウス開設の試み等が検討された。 (2)にかんしては、男女雇用機会均等法改正による女性の深夜勤務の解禁により、ブラジル人女性の就労機会が拡大し、その結果、婚姻関係においてもより大きな自律性を獲得する傾向、日本人配偶者をもつフィリピン人女性によるバイカルチュラルな家族形成への志向性とそのなかでの新たな女性主体への模索、さらにはパキスタン人男性と結婚した日本人女性が経験する新しいトランスナショナル家族形成とそのなかのでジェンダー関係の再編といった問題が考察された。 女性移住者が、日本社会への「適応」という水準を超え、社会的にも経済的にも自律的な参加の機会を広げていくための条件については、依然として解明を要する課題が多い。今後も継続した研究が必要である。本研究はさしあたりそのための第一歩を踏み出したものといえる。
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