配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
平成13年度からの3年間にわたった本研究は,21世紀,高齢社会における家族介護提供と相続の評価・関連つけ,また21世紀「超」高齢社会における介護労働提供の評価と相続のあり方,その支援方法等に関して経済学,法律学そして社会学という3つの側面から検討を加えたものである。 経済学の観点からは,無償労働である家族の行う介護労働の実態,相続との関連性などについて,長野県の中高年を対象としたアンケート調査を実施した。そこからは,家族介護は経済的・身体的より精神的に重労働であること,介護従事前の仕事を中断した事例も少なくないこと,金額に換算した場合,自己評価は常用雇用者とほぼ同額になるものの,実際に経済的な評価を行うことに賛成する割合は1割と非常に少ないこと,ねど,家族介護に関する複雑な様相が明らかになった。 法律学の観点から時,1980年に創設された寄与分の概念・創設経緯が非常に参考になる。実際,家族介護に対して寄与分で評価する判例もあるが,その対象が法定相続人に限定されるなど課題も多い。わが国の社会生活環境の変化に応じて判例が集積された結果として寄与分が創設された経緯を考慮するなら,家族介護という極めて今日的な課題についても何らかのアプローチが可能と考える。 社会学の観点からは,法の制定,経済評価の導入といったハード面の支援・構築を待つまでもなく,ソフト面で柔軟に対応している地域事例のヒアリングを行った.具体的には地域通貨の導入,世代間交流である。 人口構造・産業構造が急激に変化している今日,取り組むべき社会的課題は多い。それらについて,生活に根ざした家政学的観点から今後も研究を続けていく所存である。
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