研究分担者 |
井上 隆信 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00184755)
篠田 成郎 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (80187369)
松井 佳彦 岐阜大学, 工学部, 教授 (00173790)
松下 拓 岐阜大学, 工学部, 助手 (30283401)
李 富生 独立行政法人土木研究所, 主任研究員 (10332686)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
本研究では,化学物質の移動モデルとその輸送媒体である水分の移動モデルによって流出解析モデルを構成した.流域を縦横1km×1kmのメッシュに分割し,各メッシュを垂直または水平に13個のコンパートメントに区切ったモデルを適用した.解析対象流域内は農薬原体濃度観測が週に約5回の高頻度で行われる筑後川流域であり,水田用農薬の流出予測を行った. 流域の標高,土地利用,河川・水路等のデータは国土数値地図情報土地利用データを用いた.気温・日照時間は流域付近の17箇所の地上気象観測点でのアメダスデータ(アメダス観測年報)を利用した.降水量はレーダーアメダス解析雨量を用いて推定した.河川の流量に関するデータは,流量観測点での観測値と,ダムからの流出量と貯水量などから推定した. 計算に必要な入力パラメータ値の設定に当たり,農薬の散布場所や田植日,農薬の散布日,水管理日などの農作業に関するデータ,および,農薬の吸着定数や分解係数といった農薬原体の特性に関するデータについて不確実なデータであると考え,ある生起確率分布に従って個々の水田ごとに値を設定するモンテカルロ手法を用いて入力データを構築した.一方で,これらの入力パラメータ値の設定に当たり,決定論的に定めた値を入力データとして用いる場合についても計算を行った.その結果,以下のことが明かとなった. (1)モンテカルロ手法を用いて農作業等の不確実性を考慮した流出解析値は河川水中の農薬の観測値に近い値となり,農薬流出予測の精度が高いことが示された. (2)水田ごとの正確な農薬使用量や散布日が不明であっても,流域全体の農薬使用量を把握することができれば,農薬の流出予測が可能であることが示唆された.
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