配分額 *注記 |
121,290千円 (直接経費: 93,300千円、間接経費: 27,990千円)
2005年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2004年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2003年度: 18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2002年度: 46,930千円 (直接経費: 36,100千円、間接経費: 10,830千円)
2001年度: 48,230千円 (直接経費: 37,100千円、間接経費: 11,130千円)
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研究概要 |
1.超小型電子蓄積型高輝度X線発生装置の開発に成功した。X線発生専用マシンとして外径約0.5m、電子エネルギー6MeVの電子蓄積リングを開発した。X線強度は、目標を上回り、10^<12>光子/s,mrad2,mm2,0.1%bandを達成した。運転の自動化や電流値安定機構を導入して安定な運転を実現し、利用研究をルーチンで実施できる状態であり、COE放射光生命科学研究に貢献している。 2.X線イメージングでは、25ミクロンロッドターゲットを用いて最大20倍拡大の屈折コントラスト撮像を実現した。放射光を勝る極めて強いエッジ強調が現れ、実物肺の中に埋め込んだウレタン製腫瘍の形状や血管の状態を鮮明に撮像した。30cm厚コンクリートの非破壊検査では、従来法では見えなかった亀裂や砂利の密度を造影剤無しで鮮明に捉えた。資料を光源点の近くに置くことにより、70倍の拡大撮像でも、ピントがぼけないことを確認した。 3.Si及びGe結晶をターゲットとしてシンクロトロンの電子軌道上に設置し、結晶面を20°に傾けたとき、0°及び30°方向に10〜13keV単色X線を取り出すことに成功した。X線強度が10^<10>光子Brightnessで有ることを確認した。この強度はタンパク質構造解析を行うのに十分である。現在、蛋白質構造解析BLの開発(COEによる)を進めている。 4.遷移放射機構を用いてコヒーレントな軟X線の発生に成功した。みらくる6Xを用いた場合その強度は、校正された検出器を用いて、5mWあることを確認した。みらくる20を用いる場合には、1Wに達することが計算上明らかになった。この値は、小型放射光装置AURORAと比較して、2桁大きな値である。 5.光蓄積リング型自由電子レーザーの研究では、環状ミラーの導入により、明らかな増幅を観測した。増幅の結果、強度の蓄積電流値依存性で2乗に比例することが観測された。光蓄積リング型レーザー発振ではない他の原因によるコヒーレント放射光発生の可能性を否定できないが、環状ミラーの導入によりビームに何らかのモジュレーションがかかったと考えている。平均100mWの中・遠赤外光出力は、利用実験を行うのに十分なパワーである。分光器にFTIRを導入して、水、蛋白質、ガン組織などの遠赤外線吸収分光をルーチンでこなすことが出来るに至り、THz研究者と共同研究を推進するに至っている。
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