配分額 *注記 |
108,680千円 (直接経費: 83,600千円、間接経費: 25,080千円)
2005年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2004年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2003年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2002年度: 21,580千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 4,980千円)
2001年度: 52,390千円 (直接経費: 40,300千円、間接経費: 12,090千円)
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研究概要 |
日本の動物相の起源と成立過程を解明するため当初計画された日本の陸生および海生の代表的な動物種とそのアジアにおける近縁種の分子系統学的研究をほぼ完了した.陸生動物の哺乳類では,アジア全域のすべての種・亜種を含むシカ属,イノシシ属,ツキノワグマ属;爬虫類としてはハブ類,マムシ類;両生類としてはイモリ類,魚類のドジョウ類,タナゴ類,オヤニラミ類,軟体動物としてカワニナ類を,また海生動物としては,軟体動物のカサガイ類,アワビ類,ニシキウズ類,カキ類,アカガイ類,ハマグリ類の分子系統樹を構築し,日本に生息する種・亜種のアジア・世界における近縁種との系統学的関係,その系統の分岐年代の推定,化石記録と形態情報から日本への渡来時期と渡来ルートの解明を行った.これらの研究結果から,日本の動物種は異なった時期に,異なった移住ルートを経て,すでに大陸で(海洋生物では日本を含む北西太平洋地域以外の北米西海岸,熱帯太平洋などで)分化していた種・集団が渡来して,その集団から,日本の種または亜種が成り立っていることが明らかになった.現在の日本の動物相は更新世中期の43万年前および更新世後期数万年前の氷河期の低海水準期の陸橋及びアイスブリッジを経て,西方から九州,四国本州へ,また北方から北海道,本州へ渡来した種・集団が主体となり成立していることが明らかにされた.一方,琉球列島の固有動物相の起源を解明するために3年間にわたり実施された前期および中期更新世の含脊椎動物化石層の発掘で収集された膨大な化石の分類学的検討をほぼ終了し,モノグラフを出版するための図版作成を進めた.その結果,シカ類5種,イノシシ類1種,ウサギ類1種,げっ歯類4種,食虫類1種,鳥類3種,爬虫類8種,両生類複数種よりなる多様性に富む化石動物群の存在がはじめて明らかとなり,現在の琉球の固有動物相の起源をほぼ解明できた.
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