研究課題/領域番号 |
13854016
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
今井 浩三 札幌医科大学, 学長 (60117603)
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研究分担者 |
豊田 実 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70270676)
山本 博幸 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40332910)
伊東 文生 聖マリアンナ大学, 医学部, 教授 (90223180)
遠藤 高夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40191928)
有村 佳昭 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80305218)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
97,630千円 (直接経費: 75,100千円、間接経費: 22,530千円)
2004年度: 24,440千円 (直接経費: 18,800千円、間接経費: 5,640千円)
2003年度: 24,570千円 (直接経費: 18,900千円、間接経費: 5,670千円)
2002年度: 24,440千円 (直接経費: 18,800千円、間接経費: 5,640千円)
2001年度: 24,180千円 (直接経費: 18,600千円、間接経費: 5,580千円)
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キーワード | 遺伝子不安定性 / DNAメチル化 / エピジェネティクス / 分子標的治療 / 消火器癌 / メチル化 / ヒストン / メチル化異常 / 癌発生 / 前癌病変 / 消化器癌 |
研究概要 |
DNAミスマッチ修復遺伝子の異常によるマイクロサテライト不安定性(microsatellite instability : MSI)は、家族性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)のみならず、散発性の大腸癌や胃癌の発癌に関与する。本研究では、MSIや異常メチル化により不活化される癌関連遺伝子を同定し、消化器癌の発生と進展における役割を明らかにする。異常メチル化はエピジェネティックな変化であり、メチル化阻害剤により遺伝子発現の回復が可能である。メチル化されている遺伝子を分子標的とした消化器癌治療へ向けた基礎的検討を合わせて行う。大腸癌および胃癌における遺伝子不安定性、特にマイクロサテライト不安定性とメチル化による遺伝子サイレンシングの関連について解析を行った。その結果、散発性大腸癌でマイクロサテライト不安定性を有する癌の約80%がゲノムワイドなDNAメチル化の異常、CpG island methylator phenotype(CIMP)によるhMLH1の異常メチル化が原因であることを明らかにした。CIMP陽性マイクロサテライト不安定性陽性の大腸癌は、p16遺伝子のメチル化頻度やBRAFの遺伝子点突然変異の頻度が高く、p53変異の頻度が低いなど、異常を認める遺伝子に特徴を有し、CIMPを介した発癌経路はHNPCC型の大腸癌とは異なるパスウェイで発癌すると考えられた。異常メチル化によりWNTの制御遺伝子SFRPやRasの制御遺伝子、RASSF2などが不活化され、WNTやRas経路の活性化に重要な役割を果たしていると考えられた。また、メチル化阻害剤により、アポトーシス関連遺伝子の発現を回復させることにより、腫瘍細胞にアポトーシスが誘導出来た。これらの結果から、異常メチル化を標的とした消化器癌治療の可能性が示唆された。
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