研究課題/領域番号 |
13854017
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90212563)
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研究分担者 |
西川 武二 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50051579)
田中 勝 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40188339)
石河 晃 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10202988)
小安 重夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90153684)
岩崎 利郎 東京農工大学, 獣医学部, 教授 (50262754)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
103,870千円 (直接経費: 79,900千円、間接経費: 23,970千円)
2004年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2003年度: 18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2002年度: 28,080千円 (直接経費: 21,600千円、間接経費: 6,480千円)
2001年度: 39,390千円 (直接経費: 30,300千円、間接経費: 9,090千円)
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キーワード | 自己免疫 / 皮膚感染症 / 天疱瘡 / カドヘリン / デスモグレイン / 黄色ブドウ球菌 / 自己抗体 / モデルマウス |
研究概要 |
天疱瘡は、表皮細胞間接着因子であるデスモグレイン(Dsg)に対するIgG自己抗体がDsgの機能阻害を誘導することにより、皮膚・粘膜に水疱、びらんを生じる致死的重篤な疾患である。本研究の目的は、天疱瘡をモデル疾患とし、自己免疫疾患の発症機序を解明することにある。特に本研究では、天疱瘡モデルマウスを用いた解析と皮膚感染症と自己免疫疾患の関連に関する解析という二つの独創的なアプローチをとった。 研究成果として、以下のごとく達成することができた:1)病的活性を持つ抗Dsg3モノクローナル抗体を8種単離し、病原性の決定にエピトープが重要な役割を果たしていることを明らかにした、2)単離されたモノクローナル抗体cDNAよりB細胞トランスジェニックマウスを作成し、Dsg3反応性B細胞の運命を解析した、3)病的抗体産生を誘導するDsg3反応性T細胞クローンを単離し、自己抗体産生を誘導できるクローンとできないクローンの解析をおこなった、4)黄色ブドウ球菌表皮剥奪性毒素(ET)の水疱形成の分子メカニズムを解析した、5)SSSS罹患後にDsg1に対する免疫応答が弱いながらも起こることを示した。 さらに当初計画していなかった以下の成果をあげることができた。6)Dsg3反応性B細胞トランスジェニックマウスに病的抗Dsg3モノクローナルIgG抗体を投与するという、コロンブスの卵的発想により、CD4+T細胞依存性の自己反応性B細胞に対する新しい免疫寛容機構の存在の可能性を明らかにした、7)新規デスモグレインDsg4に対する自己免疫応答の存在が明らかにされ、天疱瘡の発症機序を考える上のみならず、自己免疫性脱毛症の病態解明に新たな展開を生み出した。 我々の天疱瘡モデルマウス、およびDsg3反応性B細胞トランスジェニックマウスを用いた系は、生理的条件下での臓器特異的自己免疫疾患の自己抗原に対するB細胞免疫寛容獲得機構を解析することができ、世界的にも他に例を見ない独自性の高いものである。今後は、Dsg3反応性T細胞トランスジェニックマウスの作成も加え、自己免疫疾患における世界標準となる独自の系を構築することを目指している。
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