配分額 *注記 |
108,550千円 (直接経費: 83,500千円、間接経費: 25,050千円)
2005年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2004年度: 18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2003年度: 18,720千円 (直接経費: 14,400千円、間接経費: 4,320千円)
2002年度: 24,700千円 (直接経費: 19,000千円、間接経費: 5,700千円)
2001年度: 34,190千円 (直接経費: 26,300千円、間接経費: 7,890千円)
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研究概要 |
口腔免疫反応および口腔疾患における免疫補助シグナル分子PD-1:B7-H1/B7-DC,ICOS-B7h.BTLA,B7-H3,B7-H4の発現および機能について検討した.PD-1のリガンドであるB7-H1は、免疫細胞のみならず炎症状態にある種々の組織細胞上に発現誘導が認められるのに対して、B7-DC発現は活性化樹状細胞(DC)とマクロファージに限定されていた.PD-1:B7-H1経路による制御機構の関与が、口腔扁平苔癬や口腔癌における発現とその臨床所見や予後との関連から、さらにはマウス口腔癌や皮膚接触性過敏症モデルにおける抗体投与実験から明らかになった.ICOSリガンドであるB7hは、B7-H1と比較しその発現頻度は低く、口腔癌や口腔扁平苔癬においては、血管内皮細胞上に発現されることから、組織へのリンパ球浸潤に関与している可能性が示された. マウス歯髄炎モデルを樹立し、新鮮凍結非脱灰硬組織切片を用いた免疫蛍光染色法で象牙細管開放後の歯髄細胞について検討し、CD11c^+F4/80^-のTLR2,4およびCD205を恒常発現している歯髄象牙質境界にいるセンチネルDCと上記分子発現のないCD11c^-F4/80^+の2種類のDCが歯髄に定常状態で存在していることを明らかにした.また、刺激後早期に両DCは刺激部近傍歯髄象牙質境界部に集積するが、CD11c^-F4/80^+DCの一部はCD86発現を獲得し、所属リンパ節に数時間で遊走することが所属リンパ節におけるF4/80^+CD86^+細胞の増加から確かめられた.以上から、歯髄においてもDCによる抗原捕獲とリンパ節への遊走による抗原提示が起こっており、引き続く獲得免疫系の誘導が示唆された.今後の研究で、歯髄において免疫系が正常に作動する環境を確保すれば、象牙芽細胞の再構築が生じ、新しい保存修復の可能性が期待できると考えられた.
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