研究課題/領域番号 |
13854026
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研究種目 |
基盤研究(S)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 京都大学 (2002-2005) 東京工業大学 (2001) |
研究代表者 |
石川 冬木 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (30184493)
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研究分担者 |
加納 純子 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (10323809)
鍋谷 彰 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (40334495)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
123,240千円 (直接経費: 94,800千円、間接経費: 28,440千円)
2005年度: 24,700千円 (直接経費: 19,000千円、間接経費: 5,700千円)
2004年度: 24,700千円 (直接経費: 19,000千円、間接経費: 5,700千円)
2003年度: 24,700千円 (直接経費: 19,000千円、間接経費: 5,700千円)
2002年度: 24,700千円 (直接経費: 19,000千円、間接経費: 5,700千円)
2001年度: 24,440千円 (直接経費: 18,800千円、間接経費: 5,640千円)
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キーワード | テロメア / 分裂酵母 / アフリカツメガエル / TRF1,TRF2 / Polo-likeキナーゼ / DNA複製 / DNA合成酵素α / 末端複製問題 / 核 / ヘテロクロマチン / OB-fold / 複製 / カエル卵抽出液 / TRF1 / TRF2 / Polo-like kinase / SV40 / 複製フォーク / ALT / チェックポイントRad / Ku蛋白質 / DNA末端結合反応 / サイレンシング / テロメレース / Rap1 / Xenopus卵抽出液 |
研究概要 |
分裂酵母、アフリカツメガエル、ほ乳類培養細胞の3種類のモデル生物を用いて、遺伝学的、生化学的、細胞生物学的手法を駆使しながら、染色体末端構造であるテロメアについて以下のような分子生物学的知見を得た。 1.テロメアを構成する新規分子として、分裂酵母Rap1,Rif1,Ccq1,Poz1を同定した。 2.高等真核生物テロメアDNA結合因子であるTRF1がM期クロマチンに結合する一方、S期クロマチンからは解離すること、この細胞周期依存的なTRF1の結合様式にM期キナーゼであるPolo(Plx1)が関わっていることを示した。 3.SV40試験管内複製反応系により、末端複製問題がRNAプライミングの確率論的開始に主に由来することを示した。 4.SV40試験管内複製反応系により、テロメアDNA、および、それにTRF1やTRF2が結合したテロメアクロマチンは複製のよい基質ではなく、複製フォークの停止がしばしば起こることを見いだした。 5.ラギング鎖合成に重要な役割をはたすDNA合成酵素αの温度感受性マウス細胞株tsFT20を半許容温度下で培養することにより、ラギング鎖合成の機能低下に対して、全ゲノム中でテロメアが最も脆弱な領域であり、テロメア機能低下によると思われる染色体異常を起こすことを見いだした。 6.テロメアクロマチンの維持には、cis配列に依存した遺伝学的機構と同時に、エピジェネティックな機構があることを示した。 以上の研究から、テロメア機能構造に関して、分子レベルで理解を進めることができ、また、細胞のがん化や老化のような確率論的な現象におけるテロメアの役割に関する洞察を得ることができた。さらに、一つの生物学的研究対象について複数のモデル生物を同時並行的に解析し、それぞれの成果を参照することで相乗的に研究を推進する「メタ生物学」的手法の有用性が明らかとなった。
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