研究課題/領域番号 |
13871029
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 長野大学 |
研究代表者 |
田中 夏子 長野大学, 産業社会学部, 助教授 (30257505)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非営利協同 / NPO / 自治体との協働 / イタリア / 委託事業 / 非営利 / 協同 / 市場 / パートナーシップ |
研究概要 |
本年度は、非営利組織と自治体との新たな関係づくりをめぐる事例発掘と政策的な展開について考察することが課題であった。この点で先進的な動きのある北部イタリアの事例を参照しつつ、長野県の非営利組織と行政との協働の動きを実証的に捉えながら、日本における非営利協同組織と公的主体とが、従来の「受委託」関係をどのように脱却して新たな関係を築きうるか考察した。 「新たな関係」は、単に協同セクターを推進するのみならず、公的セクターのあり方を今一度問い、双方が成長しあう形で進められるべきものである。イタリアでは、自治体労働者の労働運動や自らの仕事の見直しと、非営利事業の台頭とが連動した動きとなっている事例も散見され、筆者はこの点に着目をした。 一方、日本における非営利協同部門と行政との協働の実態は、「事業委託」「助成金・補助金」「物品・場所・人材提供」といった枠組みにとどまっている。むろん、委託先決定に際しては経済的指標優先の競争的な入札以外に、いわゆるコンペ方式の普及により、非経済的な指標の導入は一定程度進捗した。しかし、多くの受委託の枠組みは、自治体側のイニシアティヴによって構成され、事業遂行の柔軟性や人件費確保といった基本的な部分で未だ大きな問題を抱えている。加えて、受委託事業が、自治体にとっての「業務合理化」「経費削減」「失業対策事業」といった位置づけにとどまっているため、公的主体によるサービス提供では一体何が問題なのかの突き詰めが曖昧なまま、なし崩し的に公的サービスの外注化を促す一面も出てきている。 本研究では、非営利協同部門と自治体との協働の実態把握を行うとともに、その協働がどのような担い手によるいかなる理念に支えられ、したがって従来の「アウトソース」とはどのような質的な違いが存在するのかに言及した。それが本研究の独自色であると考える。
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