研究課題/領域番号 |
13874028
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 和夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40011720)
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研究分担者 |
岩崎 克則 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (00176538)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 可積分系 / 代数的可程分系 / p-解析 / p-線型微分方程式 / パンルヴェ方程式 / 古典函数 / 非線型完全積分可能系 / 代数的可積分系 / 代数解 / p-線型方程式 |
研究概要 |
本研究課題の目的は、特別なタイプのp-線型微分方程式について、その解の構造をp-解析的手法で調べること、パンルベVI型方程式の代数解をp-解析的に調べること、超越的な解を持つ可積分系も有限体上では代数的可積分系となることがあるので、適当なモデルを作り数理実験を行うこと、p-解析の意味で代数的可積分系であるような可積分系を構成すること、線形の場合をモデルとして、p-線形微分方程式の一般論を目指すこと、の5点である。2年間の研究を通して、研究総括は研究代表者が行い、研究分担者は他分野の研究者との交流による情報と知見の収集、および共同研究の準備を行った。研究代表者は、パンルヴェI型方程式について以下のような結果を得た。パンルヴェI型方程式の一般解であるパンルヴェ超越関数は解析的には古典関数では表すことができない超越関数であるが、この事実をp-解析の対場から見直すと、標数が5の場合には代数的に可積分であることがわかる。具体的には、原点の周りの級数解は代数関数で表され、また無限遠点における形式級数解もp-解析の意味で収束し代数関数となる。同様な結果はパンルヴェII型方程式についても成り立つ。この場合の鍵になる標数は3である。さらに、他のタイプのパンルヴェ方程式の代数解について、共同研究により次の結果を得た。すなわち、パンルヴェ方程式はある2階線型常微分方程式のホロノミック変形で特徴付けられるが、代数解を代入すると、これらの線型方程式は古典関数で表され、そのモノドロミーを具体的に決定することができる。これらの結果は現在論文を準備中である。いずれの結果も解析的な研究が大いに参考になった。研究分担者の関連する研究は文献表に挙げた通りである。
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