研究課題/領域番号 |
13874044
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
秋光 純 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80013522)
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研究分担者 |
銭谷 勇磁 青山学院大学, 理工学部, 助手 (50327285)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 平坦バンド / リープモデル / 二次元銅酸化物 / 高温超伝導体 |
研究概要 |
本研究題目である「CuO_2面以外の二次元平面を持つ超伝導体開発の試み」として、従来のserendipitousな物質探索ではなく、強相関電子系である銅酸化物における超伝導発現機構の一つと考えられる、「平坦バンド構造」に着目し、研究を行ってきた。その成果として、以下にあげる3つがある。 1)Cuサイトに1/4不純物置換した、Liebモデル格子としては、La_<2-x>Sr_xCu_<0.75>M_<0.25>O_y開発をおこなった。 その結果、M=Ruにおいて、Sr置換量が増加するに従って、反強磁性転移温度の低下を確認し、高ドープ領域においてスピングラス相を確認した。M=IrにおいてはTC=20Kにおいて強磁性転移を確認し、Sr置換量に応じて磁化の増大が確認された。この磁化の増大はIr^<+4>のJ=1/2からホルキャリアが注入されることにより、Ir^<+5>のJ=0の磁気モーメントを持たない状態になり、系全体としては、Liebモデルで考えられている強磁性相が発現したと考えられる。 2)1)のLiebモデルに相当する新規銅酸化物の創生として、Ba_2Cu_<0.7>Cd_<0.3>O_3として報告されていた物質の再調査を行った結果、炭酸基を含むBa_2Cu<0.75>Cd_<0.25>O_2(CO_3)であること決定した。このBa_2Cu_<0.75>Cd_<0.25>O_2(CO_3)は当初、報告されていた電子線回折像から、CuO_2二次元平面にCdが周期配列したと考えられ、超格子反射が確認されていたが、調査の結果、超格子反射は確認されるものの、CO_3炭酸基の周期配列によるものと確認した。 3)東大・今田らによって提案されている「平坦バンド構造」が期待されるモデル格子として、3層構造を有する銅酸化物の提案をおこなった。実際にはPrBa_2Cu_3O_yのいわゆるPr123系を取り上げた。本物質が超伝導を発現しない理由として諸説あるが、我々はPr+44f波動関数とCuO_2面の酸素02p軌道の混成であると考え、CuO_2面内はCu-O-Cuのtransferが限りなく小さく、CuO鎖のみ電気伝導しているものと考え、CuO鎖からCuO_2面となるよう極端に酸素を供給する試みを行っている。我々の開発した電界焼成法にて室温から低温まで広い温度領域において、これまでに見られない金属的な振る舞いを観測している。 以上を本研究「CuO_2面以外の二次兀平面を持つ超伝導体開発の試み」の成果報告とする。
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