研究課題/領域番号 |
13874046
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
大友 季哉 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助手 (90270397)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | バルクアルモファス合金 / 超塑性変形 / 中性子非弾性散乱 / 中距離揺らぎ / 低エネルギー原子振動 / バルクアモルファス合金 |
研究概要 |
平成13年度は、中性子非弾性散乱による低エネルギー原子振動(ボゾンピーク)の観察および中性子小・広角散乱による中・長距離揺らぎの観測のための装置作製を行った。 英国ラザフォードアップルトン研究所および高エネルギー加速器研究機構に設置された中性子非弾性散乱装置により行った。これにより、バルクアモルファス合金の超塑性変形の前後において、わずかではあるが低エネルギー原子振動に差が観測された。低エネルギー原子振動は、ガラス物質において普遍的に観測されており、ガラス内部のナノメータ・オーダーの中距離揺らぎ・構造に由来すると考えられている。シリカガラスにおいては、密度増加率が10%程度になるような圧縮を行うことで、中距離構造に変化が生じ、低エネルギー原子振動の変化が顕著である。バルクアモルファス合金の超塑性変形には、低エネルギー原子振動に顕著な差が観測されなかったことから、超塑性変形挙動においては、ガラスにおける中距離揺らぎ、つまりナノ構造は保存されることを示唆しており、超塑性変形挙動における原子構造の変化を明らかにする上で、重要な結果が得られたと考えている。 平成14年度は、中性子小角散乱による超塑性変形における中・長距離揺らぎの観測を行い、変形後に数十オングストロームから数百オングストローム程度の揺らぎが増大することを見出した。 以上より、塑性変形による構造変化は、低エネルギー振動に関与する中距離構造よりもさらに長い相関の構造が関与していることがわかった。現在、本研究により観測された揺らぎがいかなる構造を起源とするものであるのか、ということについて解析をすすめている。本研究により、バルクアモルファス合金における超組成変形にともなう構造変化を動的構造観察および中・長距離揺らぎ襯測から重要な知見が得られることがわかった。今後さらに研究をすすめ、バルクアモルファス合金の超塑性変形挙動について理解を深めて行きたいと考えている。
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