研究課題/領域番号 |
13874066
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小林 憲正 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20183808)
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研究分担者 |
金子 竹男 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50191987)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アミノ酸 / 光学活性 / 生命の起源 / アミノ酸前駆体 / シンクロトロン放射光 / 円偏光 / エナンチオ過剰 / 星間有機物 |
研究概要 |
1.生命の起源を解明する上で、アミノ酸などの生体分子の不斉の起源が注目され、諸説が提案されている。近年、マーチソン隕石中の一部のアミノ酸にエナンチオ過剰が確認され、アミノ酸の不斉の地球外起源説が有力視されるようになった。隕石中のアミノ酸の不斉源としては、中性子星からの円偏光シンクロトロン放射光が提案されている。これまで、種々の円偏光を遊離アミノ酸の水溶液や薄膜などに照射し、エナンチオ過剰の検出を試みられてきた。しかし、宇宙空間においてこのような「遊離の」アミノ酸が存在する可能性は低く、「アミノ酸前駆体」の形で存在する可能性が高い。本研究においては、シンクロトロン放射光をアミノ酸前駆体に照射することにより、アミノ酸の不斉創成が可能かどうかを実験的に検証することを目的とした。 2.模擬星間有機物として、星間に多い一酸化炭素・アンモニア・水の混合物に陽子線を照射した時に生成する複雑な有機物を選んだ。これは、加水分解するとアミノ酸や核酸塩基が生じることから、「模擬星間アミノ酸前駆体」として適当なものと考えられる。 3.この模擬星間有機物の水溶液にNTT通信エネルギー研究所のシンクロトロンからの円偏光(右および左)を照射した。これを酸加水分解した後、逆相HPLCで分析したところ、アラニンにエナンチオ過剰が検出された。 4.以上の結果は、宇宙において「アミノ酸前駆体」がまず生成し、中性子星からの円偏光でエナンチオ過剰が創生され、これが地球海洋中でL体過剰のアミノ酸の原因となった、とするシナリオを支持するものである。
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