研究課題/領域番号 |
13874067
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
清水 洋 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60090544)
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研究分担者 |
鈴木 勝彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70251329)
高橋 嘉夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10304396)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 白金族元素 / 化学状態 / Re-Os同位体系 / マルチトレーサー / 海洋堆積物 / 黄土 / XAFS / 放射光 / XANES / EXAFS / 鉄隕石 |
研究概要 |
白金族元素は、近年の分析方法の進歩にともない、地球深部の研究や地球表層における物質循環の研究などに、大変有用なトレーサーとして広く利用されるようになった。しかし、白金族元素の地球化学的挙動についは不明な点が多い。本研究では、白金族元素の地球化学的挙動の研究の第一歩として、岩石や鉱物中に微量に含まれている白金族元素の価数などの化学的状態を明らかにすることを目的としている。本年度の研究実績の概要は次の通りである。 1.マルチトレーサー法にるReとOsの海洋堆積物への除去過程に関する研究: Re、Osの地球表層における物資循環を考察する際の基本的データとして必須である、海洋堆積物への除去過程を^<183>Re、^<185>Osなどの放射性核種を含むマルチトレーサーを用いて検討した。Osは酸化的環境においても堆積物に吸着される一方で、有機炭素がないと堆積物へは除去されないことが判明した。一方、Reの堆積物への除去は、酸化還元状態に依存していることを示し、ReとOsは海水から堆積物への除去機構が異なることを示した。 2.堆積物中におけるOsの化学状態: 海水から還元的条件の堆積物へ取り込まれたOsの化学状態を推定するためにOsL_<III>端XAFSを測定した。海水中へ添加したOsはOs(IV)Cl_6^<-2>と,Os(VIII)O_4であったが、堆積物中でのOsの価数は、海水へ添加した化学状態にかかわらず、XANESからは+3価、EXAFSからは+4価と解析された。XANESとEXAFSの結果は、異なる価数を示すものの、海水中での化学状態にかかわらず、還元的な環境下の堆積物でOsは+3価または+4価の還元的な状態であることを示した。 3.地殻物質のRe-Os同位体系データ: Os同位体組成を用いた中国乾燥地域での風成堆積物の移動・運搬過程についての研究を行い、黄土のRe-Os同位体系のデータが、大陸地殻物質のRe-Os同位体系の特徴を表していることを示した。
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