研究課題/領域番号 |
13874075
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平尾 俊一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90116088)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | π共役分子鎖 / フェニレンジアミン鎖 / ポルフィリン / 亜鉛ポルフィリン / 二座配位子 / サンドイッチ型錯体 / 三次元π共役システム / レドックス |
研究概要 |
非局在化電子系の次元構造と機能の合目的に設計に関し、本研究では、三次元的に規則配列されレドックス活性な三次元π共役システムを構築する。既に、ポルフィリン環に対しπ共役分子鎖を三次元的に規則配列させた三次元π共役システムを可能にしてきた。ポルフィリンではアトロプ異性が存在するが、この異性体の構造を反映した電子系も可能であった。 π共役鎖を三次元的に導入したポルフィリンへの亜鉛の導入を検討した。フェニレンジアミン鎖を導入したポルフィリンのaaaa誘導体を酢酸亜鉛(II)と反応させ、対応する亜鉛ポルフィリンを得た。フェニレンジアミン鎖の構造や位置関係は、錯形成前と大きく変化なく、亜鉛はポルフィリン面に対してフェニレンジアミン鎖とは反対側から導入されていることが明らかになった。次に、亜鉛ポルフィリン錯体と二座配位子との錯形成挙動に関して研究を展開させた。二座配位子としてDABCOを用い錯形成を行うと、紫外可視吸収スペクトルにおいてポルフィリンのSoretバンド、Qバンドが長波長側へシフトした。これは亜鉛ポルフィリンへのDABCOの配位によると考えられる。NMRスペクトルにおいても2:1の錯形成挙動が観測された。導入した配位子はポルフィリン面に対してナフチル基側、すなわちフェニレンジアミン鎖とは反対側の面から配位していることが判明した。以上のように、亜鉛ポルフィリンとDABCOからなるサンドイッチ型錯体の形成が可能になった。このサンドイッチ型錯体にDABCOを加えると1:1錯体が形成された。さらに、この錯体に対しポルフィリン錯体を加えると再び2:1錯体へ誘導された。上記の研究の結果、電子受容体であるポルフィリン環が電子供与体であるフェニレンジアミン鎖で三次元的に囲まれた共役系を構築することができた。フェニレンジアミン鎖のレドックス特性を駆使することで、レドックススイッチが可能なレセプターになると考えられる。
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