研究課題/領域番号 |
13875003
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20134075)
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研究分担者 |
木村 康男 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (40312673)
石井 久夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (60232237)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | フラーレン / 量子コンピュータ / 水素付加 / 水素化フラーレン / 水素プラズマ / メタンプラズマ / 赤外吸収分光 / Si表面 / C60 / 量子コンピューティング / キュビット / フラーレン化合物 / 赤外分光 |
研究概要 |
フラーレン分子の中でもっとも対称性がよく、大量生産されている分子はC60である。この分子をNMR量子コンピュータとして用いるためには、相互作用する量子系をこの分子上に構築する必要がある。本研究では、この分子に水素やメチレン基-CH_2などを付加することによって量子系を構築する方法の基礎検討を行った。 (1)水素化C60の基礎物性の検討 市販の水素化C_60であるC_60H_38分子を超高真空中でSi基板表面に蒸着し、多重内部反射赤外分光法で表面吸着C_60H_38分子の赤外吸収スペクトルを測定した。得られたスペクトルはこれまでの測定結果や理論計算と一致するもので、水素化C60の基礎的分子構造を確認した。 (2)C60に水素やメチレン基を付加する方法の検討 水素化C60をSi表面に蒸着し、その膜表面に原子状水素を照射することによって水素を付加する方法を検討した。前項のC_60H_38をSi基板表面に蒸着し、水素分子を熱フィラメント法で励起して生成した原子状水素をC_60H_38分子に照射し、分子の変化を多重内部反射赤外分光法で観測した。その結果、この方法は水素付加に有効ではないことが分かった。C_60H_38の分子に水素を付加するには、例えば水素プラズマなどの反応性の高い方法を採用する必要がある。実際、水素プラズマは反応性が高く、Si表面に照射した場合、表面Si-Si結合を切断して、Si-H結合を形成することを確かめた。C60においても同様な反応が起こると期待される。また、メチレン基を付加する方法の基礎的検討として、メタンプラズマとSi表面との反応を調べた。メタンプラズマ中のメチルラジカルが表面吸着しやすいことが分かった。このメチルラジカルとC60と反応については今後の課題で、現在、引き続き研究を行っている。
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