研究課題/領域番号 |
13875039
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
益田 重明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051664)
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研究分担者 |
小尾 晋之介 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80233609)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ダウンバースト / 重力流 / サーマル / 渦輪 / 乱流統計量 / 粒子画像流速計 |
研究概要 |
大気のマイクロスケール異常流動現象の一つであるダウンバーストを、実験室スケールで軸対称鉛直重力流としてモデル化し、繰り返し発生させることによって地表付近における速度場の統計的性質について実験的に検討した。まず、低密度流体(純水)を満たして静定させた水槽の上部に、一定の張力をかけたLATEX膜で仕切られた円筒容器を設置し、高密度流体(グリセリン水溶液)を満たし、LATEX膜を機械的に破ることによって高密度流体を落下させた。流体中にはトレーサー粒子としてナイロン12を予め分散させておき、ストロボシート光を照射して粒子画像をCCDカメラで記録した。次に記録された2時刻の画像間で、粒子濃度パターンのマッチングを行い、鉛直断面内における各瞬間の流速ベクトル分布を求めた。このプロセスを同一条件で100回程度繰り返し、アンサンブル平均を行って、平均速度の鉛直方向と水平方向成分、乱流エネルギー、レイノルズ応力成分を算出した。レイノルズ数は実現象のそれ(渦粘性係数使用)と同オーダーとなるようにした。 その結果、発生した鉛直重力流はサーマルを形成し、その時間経過は下降期、衝突期および発散期の三期に分類できること、サーマルは下降期において周囲に渦輪を随伴し、これは衝突期および発散期を通じて持続すること、サーマルの後流と思われる下降流が発散期に至るまで長時間持続すること、乱流統計量は下降期にはサーマル下端の中心部で大きく、衝突期に最大となり、発散期に徐々に減衰することなどが明らかになった。 自然観察では突発性・局所性のゆえに、これまで速度場の詳細は不明であったし、実験室規模でもアンサンプル平均に基づく統計データの取得は世界的にも始めてで、ダウンドラフト遭遇時のパイロットの回避操作や自動操縦装置のアルゴリズム設計などに寄与するものと考えられる。
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