研究課題/領域番号 |
13875049
|
研究種目 |
萌芽的研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 衛 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (10185803)
|
研究分担者 |
佐藤 知正 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50235371)
|
研究期間 (年度) |
2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 体験内省 / 内省支援 / 行動計測 / 行動表示 / 活動での思い出し / 生理量計測 / 物理行動計測 / 部屋での滞留情報 |
研究概要 |
以下の要素からなる「体験蓄積・内省支援システム」を構築し、それを用いた評価実験を通じて、人の体験内省機能について考察を深めた。 a)体験情報収集部では、人の日常活動における人間のa-1)生理惰報(呼吸、脈拍)、a-2)動作情報(腰と大腿部の2軸加速度情報)、およびa-3)環境惰報(どの部屋に滞在しているのか)を計測し、時刻とともに長時間記録し続けられるようにした。 b)日記記録支援情報提示部では、人とシステムとの対話的な編集作業によって、a)で計測・記録したデータを、時系列な、居場所情報、立ち居振舞い情報、整理変化情報として被検者に提示するソフトウエアを構築した。 c)体験内省支援部では、このように日記記録支援情報提示部から提示された惰報を被検者に提示することで、内省するのに役立つ情報を得、情報をシステムに追加記録させられる機能を実現した。つまり、生活中にいた部屋の居場所、被検者の立ち居、その時の生理量を提示することによって、被検者が「何をしたのか」や、「その時に感じたことなどを」容易に思い出しキーボードから入力できるようにするソフトウエアを実現した。 構築された「体験蓄積・内省支援システム」を用いて評価実験を実施した。基礎実験としては、被検者の生理惰報(呼吸、脈拍)、動作情報(2軸加速度情報)、および環境惰報(どの部屋に滞在しているのか)が、別の参照センサによる比較、また被検者を観察している人からのデータとの比較により、計測可能になっていることを確認した。また、体験内省支援部の評価実験として、被検者に一日中a)の体験情報収集部を体につけてもらい、それによって収集したデータをもとに、被検者に日にあったことを思い出し、感想の付記に役立ててもらう評価実験を実施した。実験数は多数にはできなかったが、場所惰報はその人が何を行ったのかを思い出す手がかりとして、物理惰報は、その行動の詳細情報を思い出す手がかりとして有用であり、生理量は、その時の心理状態を思い出すてがかりになりうるというアンケート回答を得た。これらの思い出し牟容易になる事実の指摘は、このシステムの考え方が、体験内省支援としての展開の可能性を有するものであることを示唆している。定量的な議論や、実応用への展開は、今後の課題である。
|