研究課題/領域番号 |
13875068
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
浅田 雅洋 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30167887)
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研究分担者 |
渡辺 正裕 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00251637)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 弗化カルシウム / 弗化カドミウム / 共鳴トンネルダイオード / 微分負性抵抗 / 量子構造 / ナノ領域ローカルエピタキシー / サブバンド / シリコン |
研究概要 |
シリコン基板上に積層エピタキシャル成長可能な弗化物系絶縁体弗化カルシウム(CaF_2)と弗化カドミウム(CdF_2)を用いたヘテロ接合は、その接合界面に大きな(〜2.9eV)の伝導帯バンド不連続を有するため、これらの材料で構成した薄膜超格子を用いると、室温においても極めて顕著な微分負性抵抗を示す共鳴トンネルデバイスやサブバンド間遷移レーザの実現が期待される。特にサブバンド間遷移レーザの実現には、多層積層薄膜の精密構造制御による量子井戸サブバンドの制御が必要不可欠であり、本年度の研究により以下の成果を得た。 1)CdF_2/CaF_2ヘテロ構造の結晶成長を原子層厚レベルで制御するため、結晶成長領域を100nm程度の微細な領域に限定するナノ領域ローカルエピタキシー法を提案し、CdF_2-CaF_2二重及び三重障壁共鳴トンネルダイオードの微分負性抵抗特性評価を行った。その結果、室温で再現性の良い微分負性抵抗特性を得るとともに、三重障壁,二重障壁双方の場合において,CdF_2量子井戸層の層厚制御により、微分負性抵抗のピーク位置を制御することにはじめて成功した。 2)シリコン(100)基板表面を2原子層(=1結晶周期)ステップが支配的になるように構造を制御することにより、その上にCdF_2/CaF_2RTD構造の積層エピタキシャル成長に成功するとともに,その構造においてはじめて室温微分負性抵抗特性を観測した。これはシリコン(100)基板上の反位相境界による結晶欠陥の生成を抑制し、位相がそろったエピタキシャル平坦膜の形成に成功したものであり、大規模LSIのプラットフォームと弗化物系量子ヘテロ構造の形成プラットフォームを共通化することが可能となるため、応用上極めて大きな波及効果を有する成果である。
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