研究概要 |
1.最初に利根川,江戸川において実測された洪水流の水位ハイドロの縦断方向分布と観測区間の上流端と下流端における流量ハイドログラフの精度を検討した。その結果,測定された水位ハイドログラフの精度は高いが,流量ハイドログラフの精度については,流量そのものの値に誤差が含まれているものの,時間変化は正しいがことが明らかになった。次に,構築した二次元非定常流解析法に,誤差を伴う流量ハイドログラフを上流端境界条件として与え,各時間の水位縦断形が実測の水位縦断形に一致するよう実測流量を補正することにより,精度の高い流量ハイドログラフを求めることが出来た。 2.江戸川,利根川の洪水観測とその解析より,精度の高い流量ハイドログラフの観測法を示した。精度の高い流量ハイドログラフを得るには,どのような測定間隔で水位を測り,また,どのような時間間隔で流量を測るべきかを検討した。その結果,水位については,縦断間隔500m,流量の時間間隔については,上昇時,1時間,下降時,3時間間隔で十分あり,このようにして得られた水位と流量に対し,数値解析を用い1.で示した方法で,精度の高い流量ハイドログラフが求まることが明らかになった。 3.求めた流量ハイドログラフと測定した水位ハイドログラフを用い,観測区間における洪水流の河道内貯留量を評価した。その結果,洪水流の河道内貯留量は,流入流量の約10パーセントに達することから,長いか同区間を考えると,河道全体で,かなりの割合になることから,貯留量は,治水計画の中で考慮されるべきものであることが明らかとなった。
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