研究課題/領域番号 |
13875098
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
谷川 恭雄 名古屋大学, 環境学研究科・都市環境学専攻, 教授 (70023182)
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研究分担者 |
黒川 善幸 名古屋大学, 環境学研究科・都市環境学専攻, 助手 (50242839)
森 博嗣 名古屋大学, 環境学研究科・都市環境学専攻, 助教授 (80157867)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 結晶増殖材 / C-S-H結晶 / インテリジェントコンクリート / 耐久性能 / 漏水 / 圧縮強度 / 中性化 / 乾燥収縮 |
研究概要 |
本研究では、自己止水機能の付加によるコンクリートのインテリジェント化、および、各種耐久性の向上を目的として、コンクリート・モルタル中に埋設した結晶増殖材が、漏水、強度、乾燥収縮および中性化に及ぼす影響を調べるため、実験的な考察を行った。 本研究で用いた結晶増殖材は、シリカサンド、無機化合物、ポルトランドセメントおよび触媒性化合物を原材料として圧縮成形されたものである。コンクリートの混練時、あるいは打設時に直接混入して使用する。 まず、人工ひび割れを設けた供試体を用いて材齢12週まで漏水試験を行った。その結果、結晶増殖材による止水効果は確認できなかった。これは今回の調合では、未水和セメントが豊富に存在したためと考えられる。 材齢8週までの圧縮強度試験の結果、結晶増殖材の混入による強度への影響は、湿布養生を行った供試体では確認できなかったが、空気中養生においては、強度増加が認められた。これは、結晶増殖材によるC-S-H結晶の生成促進効果により、結晶構造が緻密化し、水分の蒸散が遅延されたこと、また、C-S-H結晶自体の結晶構造が繊維状であるため、多くの水分をゲル水として保有できたことが原因で、供試体内により多くの水分が残存した結果と推測される。 乾燥収縮試験では、材齢6週までの結果、結晶増殖材の乾燥収縮への影響として、乾燥収縮量に30-40%の低減が確認されたほか、収縮過程において、水セメント比による結晶増殖材の効果の違いが明らかとなった。 促進中性化試験では、促進材齢16週までの結果から、結晶増殖材を混入した供試体に中性化の低減が認められ、さらに、水セメント比の低下に伴う効果の増大も確認された。
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