研究分担者 |
山内 尚雄 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (50271581)
谷山 智康 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10302960)
北本 仁孝 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10272676)
吉本 護 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (20174998)
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研究概要 |
前年度,磁性酸化物であるマグネタイト薄膜の反応性イオンエッチングを確立したが,それと同様の反応を用いて,ペロブスカイト型マンガン酸化物を微細加工し,スピン注入デバイスの作製を行なった.まず,50ないし100nm厚のLa_<0.7>Sr_<0.3>MnO_3(LSMO)薄膜をSrTiO_3(001)基板上に,RFスパッタ法によりエピタキシャル成長させた.ポジ型レジストを塗布し,電子線リソグラフィにより1μm幅のリフトオフパターンを作製し,50nm厚のTi薄膜をマスクとして電子線蒸着により形成した.反応性イオンエッチングは,RFスパッタ装置を使用し,LSMO薄膜にはCO, NH_3混合ガスによって行なった.投入電力を75W,ガス圧力を0.02Torrと固定して,ガスの混合比を最適化し,CO : NH_3=1:4のときに3.8nm/minのエッチングレートを得た.TiマスクはCF_4ガスを用いた反応性イオンエッチングによって除去した.1μm幅のLSMO細線と直交するように0.5μm幅のCuFe近藤合金の細線をリフトオフにより形成した.スピン注入実験においては,金属系のスピン注入デバイスと同等の10^6A/cm^2程度の通電を行なったが,その際にCuFe部分で細線の断裂が起き,スピン注入によるCuFeの挙動の変化を捉えることはできなかった.その原因として,接合部分におけるジュール熱の発生があげられる.このことはLSMO表面が微細加工のダメージによりオーミック接合を得るのに適していなかったことを示唆していると考えられる.
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