研究課題/領域番号 |
13875163
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業分析化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣内 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (20135552)
|
研究分担者 |
保原 大介 京都大学, 工学研究科, 助手 (60303864)
山本 雅博 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60182648)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ポリオキシアルキレン / 非イオン性界面活性剤 / 常温溶融塩 / イオン性液体 / 促進イオン移動 / 液液界面 / 薄膜 / ボルタンメトリー / プロピレンオキシド / エチレンオキシド / キャピラリー電気泳動 |
研究概要 |
今年度は、昨年度の成果を実際的な分析に用いる新しい系を開発することを目的として、研究を行った。 測定試料に含まれる界面活性剤の濃度が希薄であることから、これを簡便かつ選択的に濃縮する操作が必要である。このために、常温溶融塩薄膜をあらたに作成し、その性質を系統的に研究した。この薄膜は、揮発性がなく化学的に安定である必要がある。そこで、引火性など他の点でも優れている常温溶融塩(RTMS)をもちいることにした。試料は水溶液であるからRTMSへの界面活性剤を抽出するためには水との相互溶解度が低く且つ、目的物質をよく溶かす必要がある。この要求を満たすものとして、1-アルキルー3-メチルイミダゾリウムイオンと、ビスパーフルオロアルキルスルフォニルイミドをそれぞれカチオン、アニオンとするRTMSを用いた。安定で厚みも再現性よく作成可能なRTMS薄膜を作るための条件を種々、検討した。金単結晶表面に形成させた自己組織膜にRTMSをスピンコートした結果、下地の自己組織膜の末端基の性質によって、膜の展延性に多きく異なることが見いだされた。末端にアミノ基を有する自己組織膜を用いると、厚さがミクロン程度の薄膜を安定に作ることができた。RTMS|水界面の界面電位差が分配・濃縮特性に大きく影響するため、この界面電位差を薄膜に溶かしたデカメチルフェロセンの酸化還元を指標として調べた。界面電位差は、溶液側に存在するRTMS構成イオンの濃度に対してネルンスト応答することが明らかになった。 ポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤は親水性部分にカチオンを捕捉してカチオン性界面活性剤として振る舞うので、薄膜への濃縮には、この界面電位差を負に保つ必要があるので、この知見はポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤の濃縮・分離および、イオン移動共役における役割などを明らかにする上で、きわめて重要である。この薄膜系によるポリオキシエチレン系非イオン性界面活性剤の実分析の可能性と、薄膜系におけるイオン移動-電子移動共役の定量的な解析を継続している。
|