研究課題/領域番号 |
13875177
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
菊池 純一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (90153056)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 圧力-光情報変換 / 分子デバイス / ステロイドシクロファン / 胆汁酸 / ホスト・ゲスト相互作用 / 動的分子認識 / 脂質膜 / 誘導適合機能 / LB膜 / 界面蛍光スペクトル |
研究概要 |
本研究では、分子に与えた圧力変化(力学エネルギー)を光シグナル(光エネルギー)に直接変換できる、新規の分子デバイスの開発を目的として研究を推進した。前年度までに、シクロファン骨格に4つの胆汁酸部位を導入したステロイドシクロファンを開発し、この気-水界面での動的分子認識特性を利用して圧力-光情報変換が可能な分子デバイス機能の発現に成功した。今年度は、動的分子認識能をもつ新たなホストの開発と、分子デバイスとしての適用範囲について検討し、以下の成果を得た。 1.動的分子認識能をもつホストの開発と分子認識機構の解明 ステロイドシクロファンに加えて、カリックスアレーン骨格をもつ種々の新規ホストを開発した。これらホストの分子構造と分子認識能との相関を詳細に検討し、特にステロイドシクロファンにおいては胆汁酸部位における水酸基の数ならびに位置の相違が分子認識能に顕著な影響を与えることを見出した。さらに、ホストが提供する不斉環境にもとづき、ゲストの認識情報を円二色性スペクトルとして出力可能であることも明らかにした。 2.動的分子認識能をもつホストの分子デバイスとしての適用範囲の評価 分子認識場やゲストの違いに応じて動的分子認識能を発現できるホストは、疎水性効果、静電効果、ならびに水素結合効果等が同時に作用する多重分子認識場、すなわち、単分子膜中、二分子膜中、及び固体基板上において、分子デバイスとして有効に機能することを明らかにした。 以上のように、本研究を通じて、圧力-光情報変換が可能な分子デバイスの設計指針ならびにその適用範囲が明らかになり、ナノテクノロジー・ナノサイエンスを開拓する上での一つの有効な分子素子を提案することができた。
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