研究課題/領域番号 |
13876002
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
寺田 理枝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30137799)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | イネ / 遺伝子ターゲティング / 形質転換 / RecQヘリケース / Rad54 / 相同組換え / コ・トランスフォーメーション / ボンバードメント / ジーン・ターゲティング / Adh1 / DNA修復 / ボンバードメント法 |
研究概要 |
相同組換えの機構を利用したイネでの遺伝子ターゲティング法の基礎を開発し、手法の再現性、精度を確認し、さらなる効率化に向けて、大腸菌RecQヘリケースや、酵母菌のRad54等の相同組換え遺伝子の適用を試みる目的で実験を進めた。RecQヘリケースはDNA修復時に二重らせん構造をほどく機能をもち、相同組換えの開始反応に関わると考えられる。また、Rad54はATP依存的にDNA2本鎖構造を巻き戻す可能性が考えられる。そこで、これまで両遺伝子をイネのカルスで、一過的に発現させて、相同組換えによる相補的なGUS還伝子の回復を指標としたボンバードメントを行い、ポジティブな結果を得た。次にRecQ遺伝子をトウモロコシのAdh1(アルコール脱水素酵素)プロモーターにつないだベクターを構築し、アグロバクテリウム法によってイネに導入し、形質転換イネ15系統を得たが、Ash1-RecQの転写をnorthan法で調べたところ種子の得られた系統はRecQ発現のサイレンシングを生じている個体のみであり、ヘリケースの発現が減数分裂に影響を与えている可能性が考えられた。Rad54遺伝子には、イネのユビキチン遺伝子のプロモーターとイントロン領域をつなぎイネに導入し、稔性を示す10系統の形質転換体を得た。これらの植物で、Rad54遺伝子の発現を調べ、遺伝子ターゲティングに用いるべく、種子の増殖を行う予定である。また、既に開発した強力なポジティブ・ネガティブ選抜によるターゲティング法において、アグロバクテリウム形質転換の際にRecQ遺伝子とRad54遺伝子をそれぞれWaxyあるいはアントシアニン合成系の遺伝子を改変するためのターゲティング・ベクターとともにコ・トランスフォーメンションを行い、それぞれの組換え遺伝子の一過的な発現による、ターゲティングの効率に及ぼす影響を調べた。今のところ、ターゲティング効率の上昇は認められていないがRecQヘリケースでは、ネガティブマーカーの導入による致死効果の現象がみられ、イネの外来遺伝子の組換えに影響している可能性が示唆された。
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