研究課題/領域番号 |
13876018
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木村 淳夫 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90186312)
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研究分担者 |
森 春英 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80241363)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | α-グルコシダーゼ / グリコシンターゼ / オリゴ糖合成 |
研究概要 |
α-グルコシダーゼは、α-グルコシド結合をもつ基質に作用し、グルコースを遊離させる酵素である。転移反応では、α-グルコシル基を移し、有用な二糖類であるイソマルトースやニゲロースが工業的に生産されている。本酵素は、一次構造や基質認識が異なる2つのグループ(ファミリーIとII)に分類できる。触媒反応は、2つのカルボキシル基(_-COO^-と_-COOH)でなされ、この点では両ファミリーともに共通である。我々は、ファミリーI・II酵素の触媒残基(酸性アミノ酸)を自殺基質法や点突然変異法で決定した。II型酵素の_-COO^-である触媒基AspをAsn・Ala・Glyに置換した変異酵素は、加水分解反応を触媒できないが、活性中心の構造に大きな変化はない。最近、我々は触媒基AspのGly組換え酵素に糖転移活性が存在することを見い出した。本変異酵素は糖転移のみを一方的に行い、転移生成物を分解しない。本研究の目的は、新しく見い出されたこの現象を解析することであり、次に示す研究成果が得られた。(1)Asp→Ala酵素では本現象が認められず、Asp→Gly酵素のみが本反応を触媒した。Alaより小さなアミノ酸残基への置換が有効であった。(2)β-グルコシルフルオリドが第一基質となったが、α-グルコシルフルオリドでは反応が生じなかった。野生型酵素はα-型基質に作用するので、変異酵素の基質認識は逆転していた。従って、反応機構は縮合であると考えられた。(3)第二基質には、p-ニトロフェニル(PNPと略)α-グルコシド、α-キシロシド、α-マンノシドおよびβ-グルコシドが利用された。マルトースやPNPα-ガラクトシドには作用しなかった。PNPα-グルコシドの場合、約70%の高収率でPNPα-マルトシドとα-イソマルトシドが得られた。(4)現在、I型α-グルコシダーゼ、β-グルコシダーゼやα-ガラクトシダーゼについても本現象の解析を行っている。
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