研究課題/領域番号 |
13876031
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 啓子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10151094)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 体性感覚 / カプサイシン / 辛味 / 舌咽神経 / hot / イオンチャネル |
研究概要 |
舌後部および咽頭部に投射し、味覚と体牲感覚の両者を司る舌咽神経の細胞体である舌咽神経節(以下PGと略す)の初代培養細胞に様々な刺激を行い、その応答をカルシウムイメージングにより同定した。1〜3日培養したPG細胞に、Fura-PE3を取り込ませ、細胞内のカルシウムイオン濃度を測定しながら、カプサイシン溶液で潅流し、その変化を調べた。その結果、3μMのカプサイシンによって細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が引き起こされた。測定後の細胞を抗VR1抗体で抗体染色を行ったところ、応答した細胞との相関が見られ、PG細胞においてもVR1によってカプサイシンが受容されていることが示唆された。続いて、他の刺激性天然有機化合物の溶液による刺激を調べたところ、ジンゲロン、アリルイソチオシアネート、クロトニルイソチオシアネート、ジアリルスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジプロピルジスルフィドといった物質でもカルシウムイオン濃度の上昇が引き起こされた。その際、細胞が複数の刺激物質に応答するかどうかを調べたところ、カプサイシン、ジンゲロンに応答する細胞群とイソチオシアネート類、スルフィド類に応答する細胞群があることが明らかとなり、2種類以上の受容体の関与が考えられた。ジンゲロンはカプサイシンと同様、バニロイド骨格を持つことから、カプサイシン・ジンゲロンの受容はVR1が関与していると考えられた。一方、VRL-1は、売にも述べたようにVR1の類似体であり、構造が似ているだけではなく、熱によって活性化されるという共通の機能も持ち合わせていることから、カプサイシン以外の刺激性物質を受容している可能性が考えられた。そこで、カルシウム応答の測定後に、抗VRL-1抗体による抗体染色を試みた。しかし、イソチオシアネート類、スルフィド類の物質に応答した細胞との相関は見られなかった。
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