研究課題/領域番号 |
13876048
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研究種目 |
萌芽的研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂口 守彦 京都大学, 農学研究科, 教授 (00027187)
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研究分担者 |
木下 政人 京都大学, 農学研究科, 助手 (60263125)
平田 孝 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40273495)
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研究期間 (年度) |
2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | トリメチルアミン / トリメチルアミンオキシド / テラピア / コリン / グリシンベタイン / 腸内微生物 / 酸素添加酵素 |
研究概要 |
トリメチルアミン(TMA)は海産魚介類の匂いを特色づける物質としてよく知られている。この物質は、海産魚介類の体内ではトリメチルアミンオキシド(TMAO)として多量に存在しているにもかかわらず、その起源や生合成の機構についてはほとんど明らかにされていない。そこで、本研究ではテラピアを飼育し、コリン、グリシンベタイン、カルニチン、TMAなどTMAの前駆体となる可能性が高い物質を投与(飼料投与)し、TMAOの生成量を調べた。その結果、コリンおよびTMAを与えたとき、多量のTMAOが生成すること、[メチルー^<14>C]および[1,2-^<14>C]コリンならびに[^<15>-N]コリンを含む飼料を与えたところ[メチルー^<14>C]および[^<15>-N]コリンの場合のみ、TMAOに放射活性および^<15>Nの取り込まれることがわかった。さらに、両物質を腹腔内に注射したところ、それぞれ生成したTMAへの同位体の取り込みが観察された。また、単離した腸管にもその内部へ両物質を注入したところ同じ現象が見いだされた。この場合には、嫌気的条件下の方が反応は進行しやすいこと、ペニシリンの共存下で反応の進行が抑制されることなども明らかになった。このことから、コリン→TMAの腸内における反応は微生物が関与するものとみなされた。嫌気的条件下ではTMA→TMAOの酸化反応は起こらず、この逆反応(還元反応)が起こることを認めた。次にこの酸化反応は、腸内ではなくむしろ組織内で起こりやすいと考えて、各組織(肝臓、腎臓、筋肉、腸など)におけるTMA酸素添加酵素活性を測定したところ、肝臓中に最も強い活性が存在することがわかった。そこで、これらの知見を総合して魚体におけるTMAOのコリンからの生合成は次のようになると推察した。 コリン→TMA(腸内微生物による)→TMAO(組織内の酸素添加酵素による)
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